こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

桃栗三年、柿八年、びわは早ようて十三年

2008年07月22日 | つれづれ
桃栗三年、柿八年、枇杷は早ようて十三年

幼少の頃から慣れ親しんでいた柿の古木が切り倒されて、
はて、何年が経過しただろうか。
倒木の後まもなく、残されていた古木の根っこ付近から、
柿木の新芽が育っていた。
もう今では高さ2メートルほどにまで成長。
しかし、何年も実を付けることはなかったけれど、
先日眺めていると、テカテカと緑色した小さな柿の実が
立派にぶら下がっているじゃないの。
桃栗三年柿八年、とはいうものの、
あえて苗木を植えて育ててきたわけでもない柿木が、
今年から初めて実り始めたことに、たいへん感激を覚える。

ところで、仏教を勉強する人たちには、
通説で、「唯識(ゆいしき)三年、倶舎(くしゃ)八年」という合い言葉みたいなものがある。
仏教を学ぶ上で基本になる科目のことだけど、
要するに、唯識という学問は、最低でも三年は勉強しなきゃあ身に付かない、
そして、倶舎という論を理解するには、八年は必要になる、
っていうことで、仏教を志す若い人たちを叱咤激励するための教訓みたいなもの。
ところで、
”枇杷は早うて13年”って言葉までは、正直よくしらなんだ。
13年かけて身に付くもの。時間をかけてじっくりと実を付けていくもの。
時間が極端に速くなってしまった現代に、
なんだかとても味のある言葉に思えてくる。



コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 痛い とても 歯が | トップ | 苦しみからの解放。今私は、... »

コメントを投稿

つれづれ」カテゴリの最新記事