今年も、地区ごとに開催される「初祈祷」が始まりました。
一年間の地区内安全や家内安全、無病息災などを願って開かれます。
私のお寺が担当する地区は、かつては町内全域にわたっていましたが、
過疎とともに減少し、今では四つの地区だけになりました。
それでも各地区のお世話人様方は、地区のためにと私事を返上して準備に余念がありません。
年に一度のこととはいえ、たいへんな労力と気苦労であろうと思います。
お疲れ様でした。
地区の公民館の座敷床の間に祭壇を設けます。
本尊は、お寺の本堂にお祀りしてあるお不動様を、分霊開眼した木彫りのお不動様です。
各地区の公民館へと出開帳されます。
このスナップには映っていませんが、右の方には各家の玄関に下げるシメ縄がドサッとあります。
このシメ縄はナキリでつくられます。
今ではこのナキリがなかなか手に入らずに、各地区の世話人さんはたいへん苦労しています。
これは、地区の境目に建てる辻札の柱です。樫の木などの手頃な枝を利用して作られます。
昔は、様々な疫病が入ってこないように、地区の境目にこの辻札を建てて願ったそうです。
ご祈願がおわると、開眼供養の施された御札とナキリのしめ飾りが住民に手渡されます。
公民館の受付に地区の方々が行列します。寒いのにご苦労様です。
この御札渡しの作業が落着すると、お世話人一同が相集って御神酒をいただきます。
皆で一献飲み交わしながら、お互いの慰労と今年1年の安全と健康を願うわけです。
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