こ も れ び の 里

長崎県鹿町町、真言宗智山派、潮音院のブログです。平戸瀬戸を眼下に望む、人里離れた山寺です。

手あげ供養

2010年05月04日 | 仏教
この地方では、
49回忌、もしくは50回忌を迎えると、
この仏事のことを「手上げ供養」とよび慣わしています。
で、通常のお年忌供養の時に準備する「卒塔婆ソトバ」とは違い、
タブの木を用いたちょっと風変わりな卒塔婆を用意します。
故人が男性だと、左手を挙げたような姿でタブの葉と枝振りを
五輪の刻み付近に付けておきます。
女性の場合は、右手を挙げたような感じです。
その理由は、・・・?。わかりません。

だから、手あげ供養を迎える施主家は、
何ヶ月も前からタブの枝振りに目星を付けておいて、
ご法事の直前に伐採と加工を施す必要があります。
たいへんです。
でも最後の供養、ということもあって、
みなさん結構がんばってどうにか準備されます。

タブの木を使用する理由を、
ある老僧から聞き及んだことがあります。
「タブの木を切ると、
必ずと言っていいほど虫が喰っている。
アクが少ない樹木だからそれだけ虫が好む。
アクの少ない木は、神木にふさわしい。」と。

この手あげ供養。
ここから数十㌔離れたある地方では、
「手納め供養」と呼び慣わしているとか。

さてさて、そのあたり後日にもう少し詳しく語ってみましょう。

コメント (1)
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