農作業の最大の妨害者は害獣達であろう。とりわけ、熊・鹿・イノシシ・サル・・・・・・といった面々は甚だしい。幸いなことに、当地では出没例は少なく被害も軽微だ。代わって筆頭に上がるのが「アライグマ」であろうか。アニメの影響か、愛くるしいイメージをお持ちかと思うが、こやつ意外と凶暴で刃向かってくるのでご注意を。迂闊にも素手で触ろうとされたら負傷する可能性もあるので、厳禁ですぞ。我々の農園でも、野菜の食害が激しく、とりわけ果菜類が被害を被りやすい。スイカ、マクワウリ、トウモロコシ、トマト・・・・・などが狙い目かな。つまり夏場に被害は集中する。これからが連中の活躍シーズンで、栽培者の関心も集中するが、特効薬があるわけでも無い。
とりわけスイカ被害が大きい「長老」は、考えて工夫したみたい。例年、襲撃を受け続け、全く収穫ゼロの年も少なく無かったのだ。アライグマは特徴として、木登り名人の特技を持つ。つまりネットを張り渡しても上空から入り込むのだ。これまでは防鳥ネットで上部を防御していたが、隙間の存在や強度の面で対抗出来なかった。其処で考えたのだろう。箱形のネットを購入した模様だ。段ボール箱の口を開け逆さにして被せた形・・・・・・・と言えばご想像つくだろうか。側面と上空とが一体となった隙間の無いネットである。恐らく専用品を入手したのだろう。
ネットには隙間が存在しない。アライグマが木登り名人でも侵入は不可能だろう。よくぞ探し出したものだ、長年の恨み辛みが対抗策を考え出させたのだろう。子狸のように、被害を被ったら簡単に引き下がるタイプでは無さそうだ。アライグマも地団駄踏んでいるのでは無かろうか。現場はトウモロコシ畑、前もってネット環境を想定して植え込んだみたい。
頭にきたアライグマの立場にたって攻略策を考えてみた。何処から攻めるか、気分は戦国武将だ。相手の陣地を落とさねばならない。弱点はネットの接地面とみた。トウモロコシにネットを被せ、竹の丸太で押さえ込んであるが、竹は棒杭等で固定されてはいないようだ。つまり竹の下部に潜り込み、背中で持ち上げて接地面の下を爪で掻き出せば潜りこめるかも。
さてアライグマと長老との関ヶ原、何処に軍配が上がるか見物でもある。人様の対抗策を気安く眺めているのは、安逸な傍観者かも知れないが、興味津々なのは事実だ。今年は無事にトウモロコシが食べられるか、はたまた地団駄踏む場面が再現するのか、皇国の興廃この一戦にあり・・・・・・・・・・ですかな。