農作業とは一言で言うと雑草との格闘でもある。その格闘戦だが、大別すると手法は2種類あるかと思われる。一つは「草刈り」であり、もう一つが「草抜き」である。余りご存じ無い方は、どちらも同じではと想定されるかも。あえて定義づけてみると、「草刈り」とは刈払機や鎌を使って雑草の地表面から刈り取ることである。特徴は広い面積に強く作業効率が良いことだろうか。反面、根が残るので再生作用が早いとのマイナス面がある。反して「草抜き」とはクワやスコップで雑草を根こそぎはぎ取ることで、時間はかかるが再生作用は少なくなる。両者共に一長一短だが、現実には程よく使い分けているのが実情だろうか。
画像でご紹介しておくが、上段が「草刈り」作業、下段が「草抜き」作業の一端である。モデルさんはいつもの長老だ。使い分けは、主に畦や広場など、面の場面では刈払機を利用し、作物間や狭い場所などは手道具での草抜きに徹している。刈払機の活用は比較的に楽だ。エンジンが作動して刈り取ってくれるので、注意深くマシーンを操作すれば良い。肉体的な負担は少ない。反して手道具での草抜きは力仕事となるのが通例である。画像の長老はクワの利用が多いかな。狙った雑草を1個づつ掘り起こしていく作業だ。手間暇の掛かる作業で、暑さとの戦いでもある。長所は上述したように、根こそぎ掘り返すので雑草の再生が少ないことだろう。割と長期間持ってくれるのは有り難いところ。
子狸の場合は「草抜き」は細分化している。大きめな雑草は専らスコップでの掘り起こし、小さめな雑草は座り込んでのミニクワを使った掘り返しだ。畝間が狭いので座り込むのも一苦労、窮屈な姿勢での作業となってくる。航空機でも無いのにエコノミー症候群の心配も必要かなと。各人各様で工夫されてるようだが、元気な仲間達は中腰姿勢のようで、作業スピードと疲労の軽減とを兼ね備えている模様だ。
長老はクワの使い方が巧みで、専らクワを使って掘り起こしている。それもかなりのスピードで作業が進むようで、見る間に面が土まみれとなってくる。疲れ知らずの作業のようで、何処からエネルギーが湧き出すのか、摩訶不思議だ。聞くところでは対応策を講じておられるようで、継続した鍛錬の結果だそうな。
さて「草刈り」と「草抜き」の相違はご理解いただけたかと思うが、農作業とはこれらの繰り返しでもある.単純作業だが、作業を施した結果、広がる場面には何とも満足させられるのは百姓冥利だろうか。雨が降りそうな本日の雲行き、作業途中での引き上げとも為りかねないが、草刈りへと出動しますか。