既に何度かご登場願ってるので、ご存じとは思うが、「千早の忍者」氏が今回の主人公である。ご記憶の方は思いだして欲しいが、楽器を引っ提げて老人ホーム巡りを行っている奇特な御仁だ。彼の特徴は、野菜栽培では無く花々の育成に徹していること。つまり彼の耕地はお花畑なのだ。推測だが、訪問時の手土産代わりかと思っている。季節毎の花々があれば人々の気持ちも和むというもの、花が存在する場面が望ましいだろう。花々に囲まれ、にこやかな笑顔のかっての若者達が嬉しそうにしている中、彼や仲間達の演奏が続いている場面をご想像いただけたら。
彼の得意とする楽器はギターと何というか目新しい楽器とである。名称は不明だが、クラリネットとピアニカとを合体したような楽器だ。演目は多岐にわたり、クラシックに童謡、ラテンに演歌それに民謡・・・・・・・と多分野に及んでいる。最も得意とするのはフォークソングであろうか。昭年40年代、一世を風靡した名曲達である。青春時代のまっただ中にあった時代背景でもあるだろう。斯く言うと彼の年齢層がバレてしまうが、まあお許しを。
演者の紹介に走ってしまうが、花園の運営には彼の育ってきた時代と環境とが深くコミットしているのでは・・・・・とも思えるのだ。時代ごとに核となった年齢層、時折の変動の主役でもあったのだろう。混乱と変革が続いて、安心立命の境地とは縁遠かったのかも知れない。花々の育成は束の間の安息だったのかも。違ってたら御免なさい・・・・・だが、そんな想像を微かに持っている。
彼の花園は狙ったわけでも無いだろうが、今回は不思議と赤色系の花に染まったようだ。詳しい名称は不明だが、栽培花の植え込みであろう。存じているのはオニユリとカンナ位、レパートリーが狭くて申し訳無いです。農園の野草でもあるヤブカンゾウとも似通っているが、不思議とヤブカンゾウの毒々しさは見当たらない。同じ赤色オレンジ系だが、別物と感じてしまう。子狸の選り好みが強すぎるのかも・・・・ですね。ともあれ彼の花園は満開状態、時間が許せば是非にお立ち寄りを。
彼の花園で最も期待してるのが「コウテイダリア」、秋色の青空に映える姿は見事です。ピンクの大輪の花が待ち遠しいのは多くの方々も同じかと。もうしばらくの辛抱でしょう。育成には困難を伴うとか、演奏の合間の花育て、ご苦労様です。