華厳寺(鈴虫寺)
享保7年(1722)鳳潭上人が華厳宗の興隆を願い、最福寺谷ケ堂の故地をえらんで創建したといわれ、妙徳山と号する。元は華厳宗だったが、今は臨済宗永源寺派に属する。
鳳潭上人は叡山延暦寺の経典講習会に参加した時、講義が難解だったため残ったのは上人1人だった。上人は「扶桑続入総目録」を編纂した。当代屈指の学僧であった。元文3年(1738)2月、85歳で亡くなった。本堂には本尊大日如来坐像(平安時代)、宝冠釈迦如来像(鎌倉時代)、鳳潭上人像を安置されている。
「華厳寺」の額は黄檗隠元隆の筆、鳳潭上人の墓は庫裡の背後にある。
真冬に鈴虫の鳴き声が聞ける。1年中聞けるようになるまで20年近くかかったそうだ。境内には妙音観音、万虫供養塚があり、作家の林真理子さんが直木賞を受賞した際「お参りしたおかげ」と話したことがきっかけで、山門わきのわらじばきの幸福地蔵が親しまれている。1度ここでお願い事をして帰ると、お地蔵さんがワラジを杖をつきながら1軒ずつ願い事を聞いて尋ねてきてくれると信じられています。庭園には1万坪の竹林があり、珍しい竹が育てられいる。
また、上人の御影を戸口に貼ると盗難除けなるといわれています。
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