東谷 瀧本坊跡
江戸時代初期に「寛永の三筆」の一人と称された松花堂昭乗が住職をつとめた坊です。現代では「松花堂弁当」の由来としても有名ですが、書画だけでなく茶の大成者でもありました。江戸城など幕府の数々の建築を手掛け、将軍の茶道師範でもあった小堀遠州は昭乗の親友で、この瀧本坊には遠州と共に造った茶室「閑雲軒」があり、詳しい絵図面も残されています。
平成22年(2010)の発掘調査では、坊跡の地面の上に、南にあった客殿の礎石と、北には漆喰作りの瓢箪型の池が見つかりました。さらに、絵図をもとに東の崖の斜面を調査したところ、建物の柱を支えた礎石の列が30m以上に渡って見つかり、環雲軒の北に懸け造りの書院があったことがわかりました。茶室「閑雲軒」は7mもの柱で支えられ、床面のほとんどが空中に迫り出した「空中茶室」ともいうべき構造であったことが判明しました。
これが 空中茶室
瀧本坊跡 昭和2年建立之三宅安兵衛遺志
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