木造天部形立像
平安時代中期・10世紀 一木像 彫眼 像高 127.5㌢
穏やかで丸顔の相好をもつ像で、寺では「観音さん」と呼ばれています。
吉祥天に似た天部像ですが、左手には吉祥天のもつ宝珠ではなく、未敷蓮華(蓮の花の蕾)を持っています。
吉祥天は奈良時代、福徳をつかさどる女神として厚く信仰され、
五穀豊穣・天下安穏を祈る吉祥悔過会の本尊としてまつられていました。
この像は桧材で作られ、頭には宝冠を戴き、法衣は深くはありませんが、鎬立った彫りの様子がうかがれます。
また、内ぐり(乾燥によるひび割れを防いだり、重さを減らすために内部をけずる事)のない一木造で、
下半身の奥行きは深く、重厚な感じがあります。
また、天保6年の文書の中に、この像は享保年間の木津川大洪水で隣村の富野村領の堤が切れた時、
寺田村山川堤に流れ着いた像であると記されています。
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