徒然刀剣日記

刀剣修復工房の作品・修復実績と刀剣文化活動のご紹介

柄前の作成

2015-05-30 04:02:36 | 拵工作
刀剣外装で、意外と軽視できないのが柄の形状です。
柄成りなどと呼びますが、刀剣を生かすも殺すも柄成りにあるといっても過言ではないでしょう。



今回は、特に入念に柄下地の整形をおこないました。
もう何度もご依頼を頂いている方からのご注文ですので、ミリ単位での指示でも対応できる自信があるのですが、念のため使用者様の手形をお預りしました。

柄前師の本領を発揮するには、注文主様の依頼熟練度?も大きく関わってくるということになります。



そのため、オーダーメイドに不慣れな方の場合には、直接お会いしてお話しをお伺いすること・現在お使いのお刀を拝見すること・武道を拝見させていただくこと・何度もメールや電話でのやり取りを続けることで、潜在的なポテンシャルを引き出す努力をします。

さらに、そこに刀身との相性、拵えとしてのバランス、刀装具の選択、写し拵えの場合には掟との兼ね合いなども、関わってきます。



ただ使い易いだけでは、美的センスを疑ってしまいますので、微妙なラインを作り出すことも重要です。
それらは全て、実用の美の上に成り立っています。

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