もう五月、彼女をはじめて見たのは、小学生低学年時代だったと思う。
よく事業所へ遊びにきた彼女を連れて、遠くの公園までよく出かけた。
ご両親が働いて見える子供さんの面倒も時々見ることもあり、退職後、
間もない僕にとっては、とても勉強になった。中でもかけっこの競争
相手として彼女に気に入られたのだろう。丁度いい競争相手だった。
飛行場が近い大きい公園、ブランコ、すべり台、ジャングルジムなどの
施設が整った上に敷地内に大きな図書館と一日中楽しく過ごすことが
できる場所。
広い芝生、みどりの絨毯の上でピクニック気分の食事。
時々通る自衛隊の飛行機を捜す、口をあけて見上げる青い空。
大噴水のまわりを何回もまわるカケッコ「私が女王様、あなたは召使」。
そんな思い出も時の流れは早く、今では彼女も中学2年生、そして昨年
彼女のお父さんが亡くなった。仏壇に手を合わせに行った。
恥ずかしそうな顔、久しぶりに可愛い顔を見た。