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今年は年初めから愛犬の具合が悪くて家を離れられず、そのあとは東日本大震災があって家に籠りがちで、泊りの旅行にはこの3ヶ月間も出かけることが無くて、こんなに長くはおそらく初めてじゃないかと。あの大地震では横浜の我家あたりは震度6弱とか、軽井沢のほうは震度4ぐらいらしかったが佐久で地震に遭遇したという人のブログでこんなに揺れたのは初めてなんてあって、管理事務所からは連絡がないからまず大丈夫だろうがやはり確認しにいってみようということで。
実はゴールデンウイークに山小屋に滞在する前に冷え切った家の中に空気を入れて掃除し、庭に落ちている木々の枝や落葉を片付けて芝の芽吹きを助けておこうと、そのついでに上州の秘湯法師温泉長寿館に一泊しようと大震災発生の大分前に予約を入れていたのだ。4月1日にしたのは次の日が第一土曜日で、桐生で毎月その日に骨董市や織物関係の市など各種の催しもあって、そちらも回ってみようと目論んでいたから。それがこの地震の影響で湯温が下がってしまったとかで長寿館が休業するという連絡があり、直後の遠く離れた北長野は栄村でも大地震の影響を受けたと思われるかなり大きな地震があったから、その影響があったのだろうと想像した。桐生のほうの催しは観光案内にメールで聞いたら開催されるというから、これはどうしようかと思案を。
損保会社のCMで北長野についてもお見舞いを言っているからには軽井沢のほうも多少は被害があるかもしれないと心配になり、やはり予定通りのコースで行ってみようと、同じく群馬では継続か中止かでもめている八ツ場ダムでいずれにしてもそう遠くない時期に移転するしかないという川原湯は嵐山光三郎が誉めていたし、どうやらその温泉地はダム中止でも無くなるらしいからその前に泊まっておこうということになった。ネットで宿を調べたらやはり止めてしまったところが多いらしく、山木館というところだけがネット予約できて、和風の古くからの宿らしいがお値段はお手頃価格で、まぁこれで普通程度なら文句はないぐらいの気分で泊まることに決定。
もう大震災からは3週間以上が経ち、あまりにも皆が自重ばかりしていても日本は元気が出ないと思う僕は、おそらく関東から東北各地の閑散としているであろう温泉旅館も元気を取り戻してほしいという気持ちもあるからね。それと川原湯は草津温泉や薬師温泉へのバスツアーで通った時にビックリするような土木工事を見て、この渓谷がダムに沈むのかということに変に違和感があったし、斜面の上に建つ数件の古そうな木造旅館は民主党政権になって振り回されていることもニュースになって、その後には老舗旅館も廃業なんて聞いていたから妙に応援したくなっていたからね。実は数年前にも予約したことがあったが、一緒に行く予定だった義妹夫婦が用事が出来たということでキャンセルしてしまって、今回は再度のチャンスというわけだ。
朝は普段通りにご飯を食べて8時に我が家を出発、平日の朝の環八の外回りは比較的に流れるが今回はそれ以上に空いていて、いつもは渋滞が激しい反対車線の内回りもスイスイで、ここにも大震災の影響があるのか不思議だねぇ、都内の活動はもう戻っているはずだし観光客が減るだけでこんなにはならないだろうに。関越から上信越道も順調で、碓氷軽井沢ICで降りる我々の前後には全く車は見えずで、10時半には山荘に到着してしまう。途中では甘楽PAでトイレタイムをとったが、ガラガラの女性トイレの暖房便座が熱々だったと、節電していないとはと女房が憤慨しておった。
上信越道から見えた浅間山
この日は陽気が回復して気温が高くて軽井沢でも普通の格好で全く寒くないのだが、家の中に入ったらヒヤッとした空気が溜まっていて、床など痺れるぐらいに冷たい。心配した山荘には異常は見られなくて、置物なども倒れたものは全くなし、震度は4程度くらいなら問題は無いとは思ってはいたけれど一安心。早速に窓という窓を全部開けて空気を入れ替える。家の中の掃除は女房に任せて僕は庭の片付けを。この時期は芝には多少の緑が出てはいるがまだ多くは芽吹きは無くて夏場の繁茂がウソのよう、雪はほとんど無くなっているが北側の日陰の一部には少しだけ解けていないものもある。我が山荘の庭は日当たりは良いほうだから雪はまったく消えている。そんな庭のモグラの掘って通った後を踏み固め、大小の折れて落ちた枝や松ぽっくりを拾い集め、大どころの落ち葉を掃き掃除する。そんなには広くはない庭なのに2時間ほどの作業で久しぶりに汗をかいてしまった。
冬枯れした山荘
そんな合間にも植えてある山野草の様子を調べたら、枯れて黄色くなった草の中で目立つように花が咲いていたのは福寿草、蕾を付けていたのが雪割草2株とカタクリが1株、冬場を越して緑の葉が残っているのはショウジョバカマとエビネ、あともう一つだけ何だか分からないものが芽を出している。園芸種ではチューリップだけが芽を出していた。場所と名前が分かるそのほかのものはまだ枯れた雑草の中には見つからない、今度来る時までの一ケ月でサクラソウやスミレなどは芽吹いて花まで咲かせるわけで、植物達は毎年律義でエライよなぁ。
福寿草 雪割草は二株
カタクリ ショウジョバカマ エビネ
何だか分からない芽
12時過ぎになって昼はどこにしようかと、オゴッソやプリモもこの時期は混まないだろうし、皆さんが自重もしているしでまず空いているだろうと、もし休みだとしても行ったり来たりしない順序でとまずプリモに行ってみたら、やはりスンナリと席に案内される。ここは夏場には物凄い行列ができるイタリアンで我々はその時期は敬遠してしまうから、こんな時期にしか来ないのですよ。やはり美味しくてまともなボリュームがあり、それで軽井沢値段としてはリーズナブルだから人気があるのは分かるのだが、夏場に店の外で待つ人の数は尋常じゃないから初めての人はビックリするぞ。昼は食べ過ぎないようにとピザとパスタを一つずつとって二人でシェアすることにする。僕はキリギリスじゃないからセット以外で生野菜を注文することはしないが、周りを見たらバーニャカウダを食べていた席が多かった。席にそのソースを販売するとあったから人気らしいが、イタリア料理も習っている女房は好きなら作るけれどアナタは好きじゃないらしいからだと、日本人の葉物野菜の食べ方はお浸しか冬は鍋でしょう。ここの取分け皿は注文メニューに合わせて人数分が行き渡るように用意されるのだが、Primと書かれたあとのOの文字が無くて、代わりに本体中心部の丸い部分がデザインになっていて、これは考えたね。取分け皿では丸子の信州音楽村にあるスペイン料理壺屋のがオーナーの手書きで一番楽しいが、これもアリかな。二人で一品ずつだから食べるのが早い我々はアッという間に平らげて店を出る、いいお客さんでしょう。
プリモの入口側、木株は外で待つ客用の椅子代わり
Primの次の0は皿本体に
すぐに宿に向かうのも早いからとスーパーツルヤに立寄って少しだけ買物を、しかし中部地区は関東みたいな品不足の状態は無くて、牛乳、納豆、ペットボトル類、トイレットペーパー類などなど、女房は久しぶりにいっぱい品物が並ぶ光景に、いざとなればこちらに避難すればいいわだと。
スーパーツルヤの駐車場からも浅間山がクッキリと
そのあともまだ時間があると中軽井沢にある星野温泉にあるハルニレテラス(冒頭写真もテラス入口側から)にも立寄る。こちらは星野温泉オーナーがセレクトしたショップがウッドデッキテラスの周囲に配置された低層建物に入っていて、やはりこの時期の平日だから客はかなり少ないから静かで、これは軽井沢の渓流沿いにはむしろ相応しいんじゃないかと思ってしまう。女房は何か変な小物を買っていたようだが、僕の目的はこの奥にある日帰り温泉施設のトンボの湯の地域住民優待カードを作ろうということ。このカードは軽井沢地区の住民か別荘所有者に発行され、特定日以外はトンボの湯の入浴料金が安くなるだけでなく、ハルニレテラス関連施設では5%OFF、有料期間の駐車料金も1円以上の買物で2時間無料ということを知って、早速にもこの機会に作ってもらったのですよ。
ハルニレテラス内
今回はプリンスSCはかなり空いていたようだが立寄らずに、早めながら浅間山の北側に抜けてすぐの川原湯温泉に向かう。この日はことのほか天気が良くて浅間山がクッキリと大きく見える。これは軽井沢に来るまでにも藤岡JCTの前からハッキリと白い姿が見えてきて、上信越道ではここからも見えるんだと今まで雪が無かった時には気が付かなかった場所からも現れてくるのにはビックリ、さすがに大きな山なんだねぇと改めて認識させられた。お願いだから今度の大地震に刺激されて噴火することがないようにと、一番近づいた北軽井沢で二拍一礼しておくことも忘れない。
北軽井沢の先から見た浅間山