第一日目の宿は法師温泉長寿館、こちらは猿ヶ京温泉の奥は三国峠手前の山裾にある一軒宿、いかにも歴史を感じさせる湯宿で建物は本館や浴室棟が文化財となっている、中でも混浴が基本の法師の湯はフルムーンのポスターでも有名になった浴槽で、木造の大空間建物の中でプールのような広さがあって、底から自噴する無色透明な湯が素晴らしい、四つに仕切られた浴槽はそれぞれ湯温差があって、一番ぬるいところは体温プラス2~3℃ぐらいか、1時間以上も浸かり続けることができるのです。
一年振りでやってきたが今年はこれまでで一番雪が多く残っている、例年だと周囲にアズマイチゲの花が見られるのだが、今年は何もかも芽吹きが遅れているようだ、このあと一ヶ月もすれば新緑となって秋の紅葉以上にいい季節となるそうだが。
直前の雪がこんなに
渡り廊下から下流を
渡り廊下から上流を
中庭もまだ芽吹きが見えない
この宿の浴室は3棟あって、そのうち二つは昔からのレトロな建物の中で浴槽があるだけ、一つだけが後からの建物でそちらだけには洗い場のカランが少しあるというもの、露天風呂も併設されているがそこだけは泉質が異なる単純泉となっている。メインの法師乃湯では2時間だけ女性専用の時間帯があるが、それ以外は混浴、でも外人さんだって堂々と混浴に入ってきますよ、日本の古い温泉は何処も混浴が当たり前、この宿でも最初は法師乃湯だけだったはず、そのあと女性用にと小さ目の長寿乃湯を作り、さらに多少は洗い場も設けようかと玉城乃湯を建てたんでしょうね、それらを踏まえて昔ながらの温泉風情を楽しむことが肝要かと。この日は格別に空いていて、かなりの時間を独り占めして法師乃湯を堪能しましたよ。
手前が長寿乃湯、左手が法師乃湯、奥が本館
法師の湯(パンフレットより)
法師の湯は計算上では1時間51分ですべてが入れ替わる湯量が湧き出ていると書かれている
夕食は部屋出しで山の幸中心を徹底しているようです、山懐に抱かれた湯宿の演出は食事にもというところでしょうか、派手さはないがしみじみと味わうという感じ、ボリュームも最後のご飯は少しだけはというぐらいで結構でした。
お品書き
夕食膳
日本酒はサービスだそうだ
先付 酢の物
造り
鍋物
吸い物
蒸し物 煮物
焼物
揚物
ご飯、香の物
果物
この宿に来たらやはり本館の共用部分だけは見ておきたい場所、昔の大きな田舎の民家はこんなだったんだと、昔の家では神棚や囲炉裏は必需なものだったが今となっては都会では見られなくなった、この雰囲気を温泉とともに味わえるからまた来たくなっちゃうんです。
神棚もいい雰囲気
囲炉裏ではお茶が飲める
フルムーンのポスターが今でも貼られている
朝食も品数が多いですねぇ、これだけあるとご飯は二杯は食べないと、和食は多少は塩っ気があるからこれは許してくださいといいながら、まぁ毎日ではないからと食べ過ぎにはなりますな。
朝食膳
チェックアウトしたあと奥にある湧水を汲みに、その近くには水芭蕉があるがこれも今年はまだこれからというちょっとだけ白い花が見えだしたところ、この冬は気温差が激しく植物たちもビックリしたでしょうね。ペットボトル2本だけ水を汲んで一番のバスが来る10時の前にはと、二日目は軽井沢を目指して出発することに。
奥の上流側から、右手に少し白く見えるのが水芭蕉