
中華街の店ではそれぞれが贔屓があるだろうからどこが絶対に良いとは言えないが、昔からの人が推薦していた香港路にある無愛想な婆さんが注文をとる海員閣は、それが原因ではないだろうが最近は評判が落ちたようで行列も少なくなっている。5~6年前にいつもは行列で入ったことがなかったこの店に、たまたま会社が休みになった平日の午前11時半少し前に通りかかったら、だれもまだ並んでいなかったので先頭に付き、11時45分の開店を待っていたら開店直前には我々の後ろの行列がグンと伸びていったではないか。そんな列の十数人後ろの女性、アノーこの店は何がお薦めですかと銭湯の僕に聞いてきた。私も初めてで分かりませんとニヤリとしてやったが、こういう所は行列がある店なら旨いと思うのでしょうな。サクラにはダマされないようにしましょうね、最近はなぜこんな店に行列がというのも中華街にはよくあるんですよ。でもこの時に食べた車エビ醤油炒めは、丸ごと頭迄食べられて旨かったですよ。
最近は四五六菜館がTVに出て以来人気があるようで、お手軽の四五六湯麺セット(春巻とのセット)1200円と店頭に出して市場通の本店だけは行列が出来ていたが、善隣門前や市場通のほうはそうでもなかったようだ。TVの影響は直後は物凄いそうだが、ある程度経つとサットと元に戻るそうで、クチコミでジワジワというのや本などの紹介の方が長続きするんだと聞いたことがある。
中華食材を買うなら僕は台湾腸詰が旨い阿媽的厨房<1號店には置かなくなって後からできた2號店で買える)かラーメンスープが美味しい永楽製麺によく行く。ここでは中国茶など同じものが店によって値段がかなり違う(細長い缶に入った白猿ウーロン茶など700~1500円という差があった)ので裏道の安い店を見つけましょうね。もう一つお土産に中華饅頭を買うんだったら関帝廟正面向かい側の茘香尊が一番安くてお得、さらに小さくても350円する華香園<閉店>は確かに皮もモチッとして旨いけれどもやや高い。(最近皇朝という専門店ができ、こちらは小さくて90円/個となっていて、肉と餡に餃子の3種類全部食べても腹に余裕が残るはず。また昼には本格麻婆豆腐だけの辣<新聞でも紹介されたのに閉店>という店は、元町にある近沢レースオーナーが上海から一級調理師を招いて出店したというが800円はお手軽であった)
関帝廟
中華街の祭りでも獅子舞
次は中華街を抜けて元町へは運河を渡ってすぐそことなる。横浜の繁華街の変遷ははまず伊勢佐木町(冒頭写真)が、次に元町、そのあとが横浜駅西口、そしてMM21という移り変わりがあるということだが、ここだけはエキゾチック元町として未だ根強い人気がある。ランドマークタワーにも出店の御三家は年2回(2月と9月の末に1週間)のチャーミングセールでは大繁盛大賑わい。キタムラの前には連添いが品選びしている間には、男性が座って待てるようにと椅子も出してある親切ぶり。僕はセール中の割引販売ではアイビースタイルのお爺さんで有名なポピーのネクタイと、カジュアルウェアのICHIHARA(閉店)でトレーナーシャツなどを時々買った。ネクタイは裏地が良いのでキチッと締められるシッカリとしたもの、ウェア類もデザイン、生地ともに僕が若かりし頃に大いに流行ったアイビールックが未だにグッドですよ。そのほかは西洋人御用達の横浜家具元祖の竹中、銀製品だけのシルバー大野、若い女性に人気のスタージュエリーなどなどの老舗も見るだけはタダですから、でもアクセサリー類はパトロンの男性陣にはマズイかな。休日は歩行者天国となっていて、愛犬を見せびらかそうという人らしきもいてブラブラ歩きも楽しいもの、何よりも女房たちはウインドウショッピング喜びますものね、お父さん連中はクワバラクワバラかもね。
元町中央通り
ワンコ連れがやたらと多い
最近はもう一本山手側の細い道筋にも店が進出していて、そういえばクーンズスクエアにもあるニンニク料理で人気のガーリック・ジョーズはここが発祥で、改築されたばかりで店名をパパ・ジョーズ<その後にはまた別の店名の店に>としていたが内容は分からない。たまたまこの土日は昨年から始まった食のインターナショナルフェアだそうで、夕方6時から9時まで仲町通にある飲食店シェフや招かれたフランス人シェフなどが作る料理を、格安にて外のテント内の簡易テーブルで食べられるんだそうだが、夜までは居れないので残念ながら来年の予定に入れておきましょうなんて。ここの欧風料理系では老舗は霧笛楼であるがさすがに格式高く高め、で僕は創作料理の修廣樹が好きでよく行ったのだが、店が大きい所に引っ越した直後は料理作りが間に合わなくて、コースが終わるまでエラク待たされてからは足を向けていなかったが、もう改善されたかな(平成15年3月2日の元町チャーミングセール最終日に久しぶりに行ってみれば、回転がかなりスムースになっていたのでご安心を)。
このあとは外人墓地から山手まで足を伸ばすのは大変だしで、さて帰りは石川町駅からJRを使って乗換えで東横線で我家まで。元町商店街から石川町までは一本左手にあるリセンヌ通を歩いた方が人ごみを避けられ、かつ面白そうな店がポツポツとあって、こんな裏側にも洋食の美松などの人気店が見つかるはず。横浜に住んでいるので何も予定がない休日、思い立って今日のようなコースをたどれば結構なウォーキングになるし、見物コースや食事、買物のバリエーションもあって、暇つぶしには一番ではあります。ホラ、横浜周辺に住むあなたもすぐに行きたくなるでしょう。
なお横浜地区の催しをいくつか挙げておくと
旧正月 中華街春節
4月第三土日 野毛大道芸大会
5月3日 国際仮装行列パレード
5月中~下旬 ドラゴンボートレース
7月20日 横浜港花火大会
10月1日 中華街国慶節
10月10日 中華街双十節
11月3日頃 馬車道祭
2月、9月最終週 元町チャーミングセール
などがあり、それらを組み込んで出掛けるのも良いでしょうね。
店データ
ラ・ミュゼット 横浜市中区南仲通 5-57(住吉町3に移転) 045-671-1158<閉店>
ぼんふぁうむ 横浜市中区南仲通 5-57(相生町4に移転) 045-212-4164
生香園 新館 横浜市中区太田町 5-56 045-992-9118
茉莉花 横浜市中区山下町 155 045-662-5251<閉店>
雲龍 横浜市中区山下町 132 045-641-9055
菜香 市場通店 横浜市中区山下町 192 045-664-3155<閉店>
海員閣 横浜市中区山下町 147 045-681-2374
阿媽的厨房 横浜市中区山下町 164 045-662-4054<2號店は長安通に>
永楽製麺所 横浜市中区山下町 92 045-663-2000
パパ・ジョーズ 横浜市中区元町 1-36 045-662-4660<閉店>
修廣樹 横浜市中区元町 2-96 045-664-9630
洋食の美松 横浜市中区石川町 1-19 045-681-8390
慶華飯店 横浜市中区山下町 150 045-641-0051
辣 横浜市中区山下町 217 045-663-9163<閉店>
萬来亭 横浜市中区山下町 126 045-664-0767
龍鳳 横浜市中区長者町 7-112 045-261-0308
キラク 横浜市中区伊勢佐木町 3-101 045-261-6619<紅葉坂に移転>
ひまわり 横浜市中区吉田町 12-1 045-253-1218<閉店>
濱新 横浜市中区吉田町 3-1 045-251-0039
末廣 横浜市中区野毛 2-76 045-242-5756
キムラ 横浜市中区野毛 1-3 045-231-8706
だるま 横浜市中区日ノ出町 1-1 045-231-2917
たん右衛門 横浜市中区若葉町 1-7 045-252-3779
追記
2004年2月に東横線がMM線に相互乗り入れされ、高島、みなとみらい、馬車道、日本大通、元町中華街と新設駅に直結、このあたりの観光地には行き易くはなったが、料金は実質値上げなっているんですよ。新線開通で都心からも含めて、物好きな来訪者は相当増えているとかで、元町などはホクホク顔だそうだ。この煽りを食ったのが野毛地区とか、東横線の桜木町駅が無くなってぐっと客足が減ったとか。でも野毛には下町レトロな捨てがたい味があって、大道芸大会や飲んべえ流しなどのスポットイベントだけでなく、特色をより強調した街づくりをしていってもらいたいですなぁ。焼鳥の末廣やハンバーグで有名なキムラなど本当に美味しい店はやはり繁盛しているけれど、もっと皆で夜だけでなく昼間も頑張りましょうや。ちょっと場末で危険といった雰囲気が漂うと思われるのには、各店がヤクザなど入れないように頑張っているということももっとアピールしたほうがいい。夜の部のズーッとディープな町なら更に奥に進めば日の出町から長者町や若葉町からさらにその先と、一時ロシア美人の立ちんぼが多かったという裏道のちょっと危ないところ<現在は風俗店は一掃され、アートが売りの健全な町に生まれ変わったと聞く>は敬遠して健全なところだけ探しても、大通りの焼鳥だるま、魚料理の大番や、ちょっと見つけ難い場所の小料理山城、牛タンのたん右衛門などめっぽう旨かった店もあったと記憶するが、夜だけではもう限界でしょうからね。最近は吉田町などの空き店舗を若者がオヤッというようなオシャレな飲食店などに改造して流行っているのを見かけるが、それらもうまく受け入れてここはゴタゴタ混在が面白いぞという路線で、今までの夜中心のイメージから昼も来てみたいという街にしていくのはどうですか。吉田町など画廊が多いのもちょっといい感じがするじゃないですか、安くて旨い店と共にそれらをもっとPRして、野毛全体に渾然とした魅力を広げていけば、それこそ穴場の魅力というやつで人を惹きつけるられると思うのだが。そういえば鳥肉専門のUME-YAは隣に小鳥店さらにその隣に焼鳥屋と並んでなにか出来過ぎの配置と妙に感心したものだが、焼鳥屋は店を閉めてしまいましたねぇ。でも小鳥屋と鳥肉屋<こちらもその後に閉店>が並ぶなんて変に面白いじゃありませんか。吉田町からは古くからの繁華街で伊勢佐木町ブルースでも歌われた伊勢左木町もすぐ地続きで、最近はやや寂れつつある感があったもののカレーミ ュージアム<閉店>ができやや元気が出たようだし、老舗料理屋の濱新など若い二代目の斬新な料理が有名になってきているとか、分かり難いビルの最上階にあって吉田町の画廊の紹介客がほとんどというのが2004年開店の洋食のたんぽぽ<閉店>、さらに奥の方にある中華料理の龍鳳、鰻の喜久良(閉店)、洋風料理キラクなども健在だしであとは個々の商店それぞれがどれだけ個性を前面に主張して競えあっていけるかでしょうかね。