横浜中心部観光の最近の定番は、MM地区、関内(馬車道)、中華街、元町、山下公園、山手といったところで、市でも回遊性を高めるための施設の充実を図っていろいろと手を打っているようだ。現在は汽車道が完成、レンガ倉庫はワールドカップ迄に店舗としてオープン予定<一大観光場所となっている>、大桟橋旅客ターミナル(2003年完成)も建設が進んでいる。この日はあんまり天気が良いからと横浜散歩に、コースはMM地区汽車道を散策して中華街まで歩いて昼飯をとり、そのあとは元町をブラブラしようということで10時頃に家を出る。
最近は横浜駅より東横線で終点の桜木町<MM線が開通して横浜から直結で元町中華街駅まで繋がり、東横線の横浜駅から先は廃線となった>で降りる人が多い中、我々もMM側へ出る。反対側は野毛地区で飲食店などがゴテゴテ並ぶ初めての人にはちょっとためらうような雰囲気の場所であるが、意外と健全で安くて旨い店があるところ。僕のお薦めの店も幾つかあるけれど、横浜支店にいた頃に開拓したから夜の方がメインとなっている。昼はやっぱり明るい太陽の下の海を眺め、ファッショナブルなビルでのショッピング、そしてウォーキングで腹を空かして関内の粋なフレンチや中華街での昼食、というのが健康的で良いのではないですかね。
MM21地区の高層ビル群(冒頭写真は完成した赤レンガ倉庫を含めて写したもの)
汽車道の最終点は前方のゲートみたいなビル
駅からすぐ動く歩道に続くMM21のメインストリートは、ご存知ランドマークタワーからクイーンズスクエアに連なる高層ビル群内を直線で通る巨大な空間となっている。ランドマーク内は吹き抜けを囲む通路の周りに店舗群、横浜の老舗商店(元町御三家のバッグのキタムラ、靴のミハマ、服飾のフクゾー)などが集まるコーナーも奥に控えているが、案内パンフレットで見ただけでは全体の把握は出来ない広さで、回廊みたいなところを歩き回るのはちょっとばかりシンドくなってしまうはず。クイーンズスクエアは中心部地下最下部がまだ横浜駅周辺が工事中でオープンしていないMM線の駅(2004.2に開業)となっており、デパートを含む店舗がどうなっているのかは、全体を繋ぐ内部吹き抜け空間からあまり良く見えない設計のため、余計に分かりにくいかもしれないが、その代わりに外側の海を眺められるレストランやカフェが多く配されるようになっているわけだ。この巨大ビル群の裏側には横浜美術館が、手前の駅寄りは運河を挟んで遊園地があるほかマリタイムミュージアムがあって、練習船だった日本丸が引退係留され月一度の帆展がボランティアによって行なわれるので、一度は全部の穂を張った雄姿を見物してみるのもよいでしょうな。また月一度と言えば、大規模なフリーマケットと多少その上のランクの自作作品を扱うアートマーケットなどが、眺めの良いミュージアム周辺で開かれているのに遭遇して冷やかしたこともあったが、こういうのは我々にはあまり買おうというものは無い。
ここから古い鉄橋と土手で繋がる旧貨物線だった線路道が遊歩道に整備され、更正手続き中のマイカルが入っているワールドポーターズ(輸入品促進が本来の販売目的だが場所柄飲食店が一番繁盛しているようだ)から船員厚生宿泊施設で一般も利用できるナビオス(1階は広くて明るいレストランがある)方面に歩くコースは、今や格好の散歩道として賑わっている。レールは大きな門のような形のナビオスの空洞の中心を抜けて終わり、こんな仕掛けは設計者の遊び心からでしょうな。丁度トリエンナーレ2001というのがこの周辺で開催されていて、街に現代アートをいうことでビルに止まる巨大バッタなど幾つか面白いものをみることができ、こういう催しなら恒久施設アートとして残したらと思っちゃう、線路道・運河と船・遊園地と観覧車・門建築・現代アートと、これらが集まるこんな非日常空間は大切にするべきであると声を大にしておきましょうや。
ビルに大きな黒い人影が
大バッタがビルに留まっているぞ
赤レンガ倉庫
ここから先は将来レンガ倉庫、大桟橋旅客ターミナル、山下公園というルート(2003年遊歩道完成)<更に象の鼻パークも整備された>も出来ればと良いなと思いつつ、官庁街の北側を通って関内の馬車道に続く道に向かって歩いていく。その手前、万国橋には土日と祝日は一日1500円(新港地区には休日限定の1200円の公営駐車場もできた)という駐車場があり、観光バスなども利用しているが、車で来てこのコースをという遠方客には便利ではないですかね。
さて幕末開港以来、関内地区を中心に明治のレトロビルが意外にも多く残されている横浜は、このコースを少しだけ左右にもムダ足を厭わずに伸ばせば、今でも現役の日本郵船や旧富士銀行などの文化財的な建物が見られ、旧横浜正金銀行だった県歴史博物館などでは中の喫茶室は格安で、見学がてら一服休憩するにはピッタリでもある。博物館周辺には比較的に知られたフレンチの小さなレストラン、ラ・ミュゼット<閉店>やぼんふぁむ(2003年ビル建設に伴い関内中心部に移転)などがあるし、中華でも例の周富輝の店生香園もすぐ近くである。この関内周辺はレストラン、料理店から一般店舗まで土曜日は開店して日曜は休みとなっていて、日曜日はやや閑散となるのでなるべく土曜日にここは歩き、日曜は山下公園に大回りして中華街に行くコースを選ぶのが良いかも。
県立歴史博物館
生香園新館
馬車道から直行方向左に横浜球場公園の海側に接する相生通りを進めば、イタリア料理の老舗オリジナル・ジョーズ<最古のイタリアンも閉店>、スペイン料理カサ・デ・フジモリ、日本料理般若亭<閉店>、トルコ料理アリババ、フレンス料理マルシェ・ド・サブール<閉店>、古びた洋食屋の梅香亭<閉店>、喫茶コーヒーの大学院などと昔からの店があり、突き当たれば中華街となる。
中華街の休日はいつ行っても人!人!人!で繁盛と思いきや、中国の城を模した陽華楼は破産の張り紙(その後横浜大世界上海ワールドとなった)、その他小さい店でも夏以降に経営が変わったような所がチョコチョコ見受けられる 。やはり不景気の影響はここにも現れているんだなあと。最近の店頭に出された昼のセットメニューやバイキングの値段を見ると安いですねぇ。僕はここでは中央通りの豪華店などにはほとんど行ったことがなく、脇道のちっぽけな店で安く旨く腹一杯のいわゆるB級以下の3級グルメ専門(店には失礼)で、いわゆる中華の王道メニューはまず頼まない。このところ良く行くのは本来は喫茶店とバーで昼食タイムに地元常連客が食べに来る茉莉花<非常に残念ながら惜しまれて閉店>という店。それこそ一間間口の小さな店でメニューも少ないのだが、ここの焼ソバとネギソバや野菜ソバがかなりイケルのですよ。女房はここの五目焼ソバ700円専門、中華街に来てこんなものしか食べていないと文句を言いながらいつも注文することになるです。僕は半チャン300円が付くセットでネギソバが定番に、このスープの品が良くて、椎茸の風味も好ましく美味しいのですよ。血圧を気にしながらスープを全部平らげ、香ばしいチャーハンと合せて950円で腹はもう満足!満足!、その他の料理はもう入りません。つくづく小さな腹で残念とはこういう時は思いませんか。ほかには牛バラソバだとアッサリスープで調和が良い雲龍、飲茶では菜香の市場通店(新館は豪華で席を待つ客も多い)<市場通店は閉店>、中華粥の安記、叔母ちゃんが仕切る萬福(閉店)、独特な焼きそばの梅蘭、上海料理では上海飯店や外れにあって地元中国人客も多い穴場の萬来亭、ワンタンなら慶華飯店、焼豚の金陵酒家、四川の重慶では一番小さいながら本店などが美味しかった記憶がある。
中華大通リの入り口となる善隣門
茉莉花
半チャンとネギソバのセット