
昨夜が遅くなったので我々としては遅めの起床、なるべくガタガタ動いていたら寝坊助の義妹と昨夜は深夜の帰宅らしかった義弟も間もなく起きてきた。義妹はまだ勤めているから朝食はいつも簡単というから、金曜日に手打ちした蕎麦を持参して女房が4人前のもり蕎麦を作って朝飯代わりにする。
勤めが休みの義妹も一緒に10年ぶりの丹波篠山方面に、高速もあるようだが以前に一般道でそんなにはかからなかったからとゆっくりの9時の出発。今晩は会員制リゾートクラブの東急ハーヴェストクラブ有馬温泉の施設に泊まることになっていたから、有馬温泉への帰りの道筋を確認しておく意味もあって、芦有道路で一旦温泉地の近くを抜けるという道筋を選ぶ。この道路は初めて走ったが、かなりの急坂が続く道で、途中には東六甲展望台と書かれた駐車場からの神戸側の眺めが素晴らしい場所もあって、そこでは景色を見ようという駐車中の車は多かった。しかし終点料金所で取られた通行料金は走る距離の割には高いですねぇ、おそらく有馬温泉への他県からの観光客が使うのを目論んでいるんだろう、それと眺めを売りにしているんだろうね。この道筋の紅葉はやや盛りを過ぎていた。芦屋から登って降りてで有馬温泉近くを過ぎ、西宮北IC近くに出てからは三田を抜ける一般道でまずは旧今田町にある立杭焼の里に向かう。
東六甲展望台からの眺めの合成写真
紅葉真っ盛りのなだらかな山の合間に開ける小さな川沿いの集落が立杭焼の里で、10時半ごろにはその中心施設である陶の郷(冒頭写真の右手奥には煙が見える)の駐車場に入る。
旧今田町立杭焼の里風景
もうここに来るのは4回目になるかな、ちょうどこの土日が関西文化の日ということで施設の入場料が無料ということであった。久しぶりに窯元の作品を展示直売する建物に入ったら、名前も窯元横丁となっていて、入り組んだ細い路地風の両側に57軒の仕切られた小屋を並べて各自の作品を見せるようになっていて、これは以前のように広々とした空間でショーケース棚だけで展示していたのとどうだろう。雰囲気を焼物の里風にしようというのは分かるのだが、足早に見やすくという点では面倒ではあるなと。僕がいいなと思っている作家の市野雅彦作品の小屋は無かったから、ここに展示しない独立孤高の窯元もあるというわけだね。
陶の郷にある直売所建物
屋外にはLED陶製ランプシェ-ドが並ぶ
窯元横丁と名付けられた直売所内の様子は敢えて路地風になっている
陶の郷の奥に黒煙が立ち上っているのを見つけすかさず行ってみたら、そんなには大きなものではないが登り窯があって、折しも火入れが行われている。下から順次上に向かって薪を投入していてもう下のほうは高温の炎が、その後全体に火が回ったらベテランらしきが中の火色を見ながら薪を足す場所を指示してさらに火の勢いが強まる。どのくらいの量を焼くのか訊いたら、70人が10kgの粘土で作ったものが入っているそうで、これだけ本格的に焼く現場は初めて、いい見物が出来ましたよ。
登り窯ではちょうど火入れ中
窯元横丁では、阪神大震災で陶磁器をほとんど壊したという義妹は、以来あまり焼物は買っていなかったからいい機会だといくつか購入していたが、我々は小さな花入れ兼調味料入れになるようなものを数個選んで買っただけ、お気に入り作家のものが無かったので懐が傷まなくて済んだというものだ。陶の郷に置いてあった窯元案内図にも市野雅彦の大雅窯は載せていなかったから、あとでネットで調べたら一番北の端にあって、持ち帰った協同組合発行の窯元路地歩きマップを帰ってから見たらそこには記載されていた。でも敢えて訪ねたら買わずにというのもねぇ、ということもあったからまた仕切り直しでということにしておきましょう。
窯元路地歩きマップはこちらを見たほうがいい マンホールには壺の模様も
1時間ちょっとを陶の郷で費やしてから立杭焼の里をあとにして、次の丹波篠山の中心部に行く。このシーズンの日曜日はやはり観光客が多くて、市内中心部の道路はかなり混み合っている。魚屋町から先の中心商店街道路は歩き回る観光客を避けて車はノロノロと、確かその手前から右折した方向にある篠山城址の中に駐車場があったはずとそちらに回れば、広い公営駐車場に12時過ぎにスムースに入れた。
そちらから中心部に歩いて行った途中に擬洋風木造建物の旧篠山町庁舎を活用した大正ロマン館があって、地元物産土産物販売のほかにレストランろまんていというのがあったから、ちょうど昼時でどこも混んでいるようだし、ここは席が多いからといいかと名前を入口前の順番待ち名簿に書き込んで、物産販売コーナーを見て回ることに。
大正ロマン館
大正ロマン館内部、手前販売、奥右手にレストラン 篠山藩焼の王地山焼の伝統を継ぐ展示も
レストラン内はまだ満席じゃなくて空いているテーブルがあるのだが、厨房が間に合わないのか客を呼び込まない、やはりお役所仕事風なのか、それとも席についてからあまり待たせるほうが客を怒らせるからかな。僕は注文メニューを女房に言っておいて、中心商店街まで下見にも行っていたら携帯で呼び出され、レストランに戻って間もなくで出てきたものを見たら副菜など共通だし、事前に下拵えができる中身だからそんなには手間が掛かりそうもないのにね。僕は黒豆入り豆乳おじや定食、女性陣は黒豆御膳、女性陣はここでも黒豆豆腐が美味しいと言っていたが、僕のおじやも優しい味であった。土日祝はお得な日替わりランチはないんだそうだ。
黒豆入り豆乳おじや 黒豆御膳
丹波篠山の食材では黒豆が一番前面に出ていて、次が栗、その次が猪肉とつくね芋と見受けられたが、中心街の食事処は行列が見られ、猪鍋を売りにする店もあったが、今の肉は昨年仕留めた冷凍物の最後だから止めておいたほうがいいと事前に教わっていたからね。それともう少し前だったら今年の最高級の丹波松茸にもありつけたかな。
丹波黒豆 山の芋
こんな猪の看板が 猪肉は脂が多い方が高い