はて、弁慶という民具を初めて聞いたときには何のことかサッパリ分からなかった、囲炉裏の上に吊下げられた古民家の実物の姿を見せてもらってナルホドと、実に愉快なというような名付け方だなぁと。
義経の家来となった武蔵坊弁慶は主君とともに平泉で戦死したのだが、体中に矢が刺さっていたのになお主君を守ろうと立ったままで往生したと伝えられる、この民具は囲炉裏の上に吊下げられて、そこには串刺しの魚などを保存用に刺しておくもの、その様子格好を矢を背負って立往生した弁慶の姿になぞらえているのですね。
軽井沢の山荘に小さな囲炉裏を造ったのだが、火棚は大工からプレゼントされた大八車をそれに見立てて上部に吊り、そこから吊下げる自在鉤は以前からあったものを活用、さらに弁慶もということで日本民藝館展で見つけたものを下げてみたが、ほかが古いものばかりでそこに新しいのはやや馴染まない、と言うわけでもう一つ時代物を東北旅行で探してきて今は二つがある。
やはり古いやつは造りが今出来のものとは違う、豪快さがあって実用的でもあるなと。
茶室ほどの囲炉裏だが
まだ竹串を刺してみただけなのだが、そのうち女房に古布で魚人形など作ってもらいぶら下げて部屋飾りにしようかと、小さい炉だから炭火だけを使うことになるでしょう、炭なら上に煤が昇ることはないからね、瓦屋根なので茅葺とは違って煤は不要ですから。
2009年6月の補筆入替え再掲です、その後に古布での魚は作ってもらって串にぶら下げていますよ
今はこんな風になっています