
三泊目の宿は遊佐町の海岸沿いにある鳥海温泉遊楽里(冒頭写真)という公共の宿、かなり大型の施設でこの日は地元の何かの催しが昼からあったようで、玄関前の駐車場にやっとのことで我が一台を停めることができた、裏に回されちゃうとグルリとかなり歩かされちゃうからねぇ。ここに泊まるのは今回で三回目となる。本当は温海温泉の毎年泊まっていた旅館で美味しい料理をと思っていたのに、そこが9月で廃業したということを予約しようとした時に知って、もっと早くに分かっていれば最終営業に間に合わせてこの旅を計画したかもと、残念でしたということで急遽こちらに、最終日の行程が長くなるけど日本海東北道が村上から利用できるようになったから。
この宿のロビーに続くエレベーター前には遊佐刺子のショーケースだけが飾られていてまず目に付く、名産工芸品はこれが代表ということでしょうか、日本三大刺子の一つに庄内刺子があるがこれはその一派であるらしい、アイヌ刺繍をやっている女房もこれは手が込んでいて高いのは肯けると、でも高いから陳列していてもなかなか売れないと思いますがね。
遊佐刺子製品
鳥海温泉という通り客室階の廊下側の窓から天気が良ければ目の前に鳥海山の雄姿が見えるはずだが、台風一過なのに生憎と冬型気候となってしまって頂上は雲の中、これは翌日も同じで見えず仕舞いであった。
鳥海山は雲に
宿に早めに入ったのは、隣接する日帰り温泉施設のあぽん西浜にある源泉露天風呂に食事前に長めに浸かろうという魂胆があって、それにこちらの方がサウナやジェットバスなどと設備も整っているから内風呂だけの宿の風呂よりいいと。あぽん西浜では内風呂の温泉よりも、後から掘削したというもう一つの源泉の方が成分が濃い上に気泡も混じるといういい湯で、こちらは鉄分がより多いようで色もやや褐色が強くなっていて、その源泉を掛け流しているのはこちらの露天風呂だけなのだそうだ。そんなには大きくはない露天風呂だから、地元客に混じって彼らのやや大声に聞こえるオシャベリを耳にしながら、でもその内容は1/4も分からなくて、山形でも一番秋田に近い土地の東北弁も日本語だと感じられても僕には通じなくて、これでは話の中に入っていけませんでしたな。泉質は新旧ともに中性のナトリウム-塩化物泉で、メタ珪酸が多いからヌルリとした感じがある、更に新しい2号泉は遊離二酸化炭素が多いのが成分表でも分かる、またやや石油成分なのか油分が混じることがあるとあった。
あぽん西浜
1号源泉成分表 2号源泉成分表
食事処は最上階の海側に窓が開けるレストランだから、漁火でもあったら少しは海らしい雰囲気は感じられるかもしれないが、毎度のことながら夜は真っ暗で外の眺めは全く見えないから食事に徹することになる。以前はもっと内容が少なかったような記憶があって、今回の料理の種類の多さにはこれまたビックリ、以前よりもランクアップしたプランで予約しちゃったのかも。特別これがというものは無かったけれど決して悪いということはありません、だがとにかく量があって、この中では蟹とアジ塩焼きは僕にはどちらかだけでよかった、それに炊込みご飯も二人で一つで十分だったのにね。
夕食の膳
三日目にも芋煮が ズワイ蟹は余分な感じもしたが
茶碗蒸し 野菜とキノコ 漬物
4種類のお造り エビと野菜の天ぷら
マスとカツオのカルパッチョ風 アジ塩焼は全部は食べきれなかった
アサリの炊込みご飯も多過ぎて アサリ味噌汁
デザート2種
早朝は6時からあぽん西浜がオープンするので直後にそちらに、これがもう地元客が待ちきれずというようにやってきていて最初からかなりの客の入りとはと驚いちゃう。小雨が降っていてもやはりこちらの露天風呂にはこの日もジックリと浸かったが、湯温が38℃ちょっとというやや低めなので早朝はぬるめで、地元客はこりゃぬる過ぎると内風呂に逃げて行っちゃうから独り占め状態でゆっくりと、実にいい湯だなぁ気分を味わってしまったわい。
長湯したから7時からという朝食に7時半頃に行ったら、席に案内されたところでちょっと前には二つの虹が見えたけど今は一つがまだ微かに見えると教えられ、すぐに撮った写真が次のもの、中央よりやや左寄りの海から登るのがやっと見えたぐらい、虹が出たということは日差しが出てきたということで、冬型といってもそんなには荒れそうでもないようでまずは良かったと。朝食では海の方を眺めながらで、やはり最上階レストランは見えてナンボ、できれば山側も見られたらいいのにね。
虹が微かに
朝食では朝からイカ刺しがあるのは海辺の宿らしくて、サラダや漬物類はバイキング形式、お粥とご飯の両方を食べて、飲物もフリーとなっていたが牛乳とコーヒーでご馳走様でしたとなった。この朝も食べすぎでしたかな。
朝食の膳
イカ刺し 煮物
塩鮭 納豆と海苔は自由に
湯豆腐 味噌汁
お粥 ご飯
牛乳とコーヒー
食後のあとのコーヒーは海の景色を眺めながらでもう一杯を、さぁこのあとは長距離を走ることになるからと、動き出すまではゆったりとさせてちょうだいなと少しだけ時間をとらしてもらいましたよ。
漁港はすぐ傍に見える