銀座に出てくるのは本当に久しぶり、丸の内と日本橋は時たま行ってはいるがこちらには足を向けていない、やはり銀座の人出はさすがに多いですねぇ。でもこちらにきてもあまり巡る場所もないんだけれど。
昨日は代官山の無垢里という古民家を利用した工芸展示販売の店に立寄ってから銀座まで足を伸ばした。というのも最初の無垢里には昨年11月に女房が習っているアイヌ刺繍の先生の個展にお供させられたときに芳名帳に名前を書いたため、店から今後の案内と暮らしの考源楽なる古民家レポートが送られてきて、その志や良し!と今後も送ってもらおうと送料を納めるためであった。この日はロクロ木工の作品展示であったが、こういうものに興味がある若い人が目立ちましたね。
そのあとは銀座まで出て、資生堂パーラー地下にあるギャラリーで今月から開かれている第4回shiseido art eggなる新進アーティストの公募で入選した作家3人の一人曽谷朝絵展にと、その案内をもらっていたから。というのはこの作家の母親と女房が古い友達で、娘が異様に絵好きとこぼすのをそんなに好きなら画家の道を選ばせたらと勧めたこともあったらしく、展覧会があるたびに案内状が届くのです。彼女は東京芸大を出てPh.Dまでとり、それまでにも新人作家としていくつかの賞も受けているという注目株だそうだ。でもこれまで淡い色使いで光る湯水とバスタブばかり描いていて、それがプロの評価では高かったというのが素人の僕にはよく分からず不思議だったのだが、今回の案内状にあった絵はいいじゃないかと。
案内状の絵は今回の作品の一つと思ってきたらこれが大間違い、ギャラリーの吹抜空間一杯に様々に色を塗ったビニールシートを床から壁に貼り付け、さらに天井からも螺旋曲線テープ状に吊り下がるという、ここだけにこの時だけの作品を創ったというものでこれにはビックリ。今までと違うなと思った案内状の絵はその一部を写したものだったのですね。これまでよりはっきりした色が様々にミックスされ、全体にハーモニーを醸しだしている、これなら説明にあった作者の頭の中にある和音を聞くような色と色の調和ということも、音と色の響き合いということも理解できそうです。一皮剥けたなどと素人の僕が言うのもおこがましいが、この作品があとに残らないのは残念じゃないですかと、でも前衛を行く人はそんなの関係ネーと言うのかな。
館内の写真はお断りというからポスターにあった一番色彩に富んだ部分の図を冒頭写真に掲げさせてもらいました。これ写真じゃなくてアクリルなど使ってパネルに描いたら立派な額になりますね。