房総の白浜海洋美術館では万祝に感心しちゃったのと骨董の販売もあるからとその次に行ったときにも再訪問、その際にはミュージアムショップでこの古布を使ったマットがあったので買ってしまった。
万祝の発祥は江戸時代の房総だそうで、大漁だった年に船主や網元がご祝儀に型染めの絵柄の着物を漁師達に配って、正月などに港町を練り歩いたのだそうだ。全国的には明治大正時代に広まったというが、今年の庄内雛街道巡りで立寄った有名な小樽鯟御殿の主である旧青山本邸でもそれらしきを着た写真があったような気がする、でも現在はその風習は無くなった。
港町には大漁旗を染める店は今でも残るようだが、さすがに発祥の房総では工芸品としての万祝風の風呂敷などを染めているところが鴨川に2店あって、みんなみの里で売っているが、小さくても結構なお値段だ。
やはり漁師が着るから海に因み、かつお目出度い図柄で染められるのは当然で、このマットは海岸の岩場に降り立った鶴の絵がしっかりと切り取られたところを上手に使っている。古いものだから色はややくすんできていて、それが逆にしっとりとした風合いを出している。