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朝,マヘンドラが部屋に入ってきた。彼はアメリカ生まれのインド人。50歳半ばだが、すでに5年前にITエンジニアをリタイヤして今は一人で世界中を回っている。 この宿の常連らしい。これからカザフスタン、キルギス、モンゴル、シベリヤ、モスクワ、サンクトぺテルスブルク、ヘルシンキ、、を回るという。すごい人と一緒になったものだ。
ベキゾと連絡するのにメルアドしかないのを悔やんだ。Wi-Fiは異常ないが、メールサーバーがおかしくメールが受信できないのがわかった。これではホテルへ電話連絡してくるのを待つだけだ。しかし何も連絡がない。地下鉄の乗るのは初めてなので、とりあえず、近くのメトロへ行ってトークンを買って乗ってみて練習しておかないといけないとかんがえてアイベック駅に向かった。歩いて15分。トークンは1,000スム(50円ぐらい)で乗り場の前で売っている。改札前にポリスの手荷物チェックがあり、構内の写真撮影は全面禁止となっており違反はその場で写真を消去させられる。知らずに写していたら警官に声をかけられて消させられた。
ホテルへ帰ったがベキゾからの連絡はまだない。マヘンドラがバザールの換金場所へ連れて行ってあげるというからついて行くことにした。まず彼はある建物に入ってマッザージを受ける予約をした。彼は車の事故で負傷し3度の大手術を受けたが痛みが治まらず,疲れが出ると痛みを抑えるためにマッサージを探して施術を受けているらしい。日本を含め世界中のマッサージを受け回っているという。
バザールに出てベジタリアンの彼は野菜やナンを買う。僕もトマト(4個で4000スム:200円)ナンと紫色玉ネギ(おじさんはタダでくれた。意味わからん。明日来てもっと買ってっていうことかな?)。ホテルで調理して食ってりゃお金かからないよ!完全ベジタリアンのマヘンドラならこれが毎日の生活らしい。朝食付きで一泊12,3ドルのこんなホテルで生活するならば月5万円の年金で暮らせるなぁと思った。
バザールの一隅の屋台にいるおばちゃんに声をかけてマヘンドラはドルいくらかと聞きと、電卓を見せて645だという。彼が650と打つと彼女は顔をしかめていやいやをする。そこで645で交渉成立。僕は$100換金したかったが札をみせると古くて汚れがあるからダメだという。他にピン札はないかと探したがないのでやむなく40ドル(258000スム)換金した。ピン札を持ってくるんだったと悔やむ。これが闇両替で違法。見つかれば没収され拘束されるのだが堂々とバザールの中で行われている。このマネーレートのダブルスタンダードが中央アジアのなかでウズベキスタンの特色。彼と別れホテルに帰るがベキゾからの連絡はない。
そのうちマッサージから帰ったマヘンドラが友人に会いに行くが一緒に行かないかというので一緒にアイベックのメトロ駅の方向に向かった。アフロシャーブ通りを西に道を聞いたり電話してもらったり(ここでは公衆電話なんていらない。携帯持っている人に声を掛けて電話してもらうのが普通。皆いやな顔しないで電話してくれる。良い人柄だわぁ)して、ようやく大きなテナントビルの1階の応接室に通された。
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Nadira Akhmedova 90-909-72-81
紹介された彼女はこの新しいエージェントで仕事を始めたようでマヘンドラはここでコーヒー1杯飲ませてもらってツアープランのアドバイスをするんだそうな。サンライズキャラバンホテルを得意先にしている。部下のBatirという男も一緒に話に加わった。彼はスペイン語もできるという。2人とも大変慣れた英語を使うので、ここのツアーポイントを知り尽くしているマヘンドラにはいい話し相手で、彼らもまたいい情報源になっているようだ。彼女は連絡したい日本人がいるという、、、もしかして「西村さんじゃぁない?」…そうだった。奇偶! 去年僕たちは彼と一緒にウズベキスタンを回ってキャラバンホテルに泊まったと話した。後で僕と話をしたいということだった。マヘンドラにはもう一人会う予定の友人がいるというのでホテルで待つことのした。
ホテルの庭の棧敷コーナーでタミリスとお母さんが食事をしていたので僕も一緒に食べていると、マヘンドラが来て、タミリス親子とは明日アスタナに発つ同じフライトだということで彼と一緒に駅までタクシーで行くことになった。言葉は通じないがマヘンドラのボディトークをみんなで楽しむ。
夜、仕事を終えたシャロクヒディンとその小さい息子がマヘンドラに会いに来た。彼は一匹狼の旅行エージェントでマヘンドラが推奨する男だ。彼らの話している間、彼の息子やタミリスと一緒にダーツしながら点数を数えてロシア語の練習をしていると、そんな僕を見てマヘンドラも呆れ顔。
夕方ようやくベキゾから連絡があっておそくなって大変すまない、夜9時にアイベック地下鉄の駅で会いたいと言ってきていた。行ってみると奧さんと2人できていた。家を長く空けていてたので支払いがたまっていたりして忙しいという。マイダニ駅で車両待ちのあいだ僕がメトロの構内を写して注意されたと言ったが僕のシャッター音がしないアプリを使い写して大丈夫だというものだからベキゾにi Phoneを渡してとらせていた。
構内を出ようとした時、ある男が警官に写真を撮っている奴がいるといいつけているのが見えた。警官がすぐに走りだしベキゾは捕まってしまった。彼は僕に心配しなくていいからすぐ戻るからと言ったが戻ってこない。奧さんと長く外で待つことになってしまった。ようやく彼の連れ込まれたい駅の詰所に呼ばれ撮った写真を消すように言われて開放された時にはもう11時を随分回った頃だった。
そのままアイベック駅から歩いて帰った。
あとできづいたが、そのとき僕が「それは僕が頼んで彼に撮ってもらったんだ。そのスマホはおれのものだから」と言ってすぐに僕自身で消去すれば問題なかったのだ。ベキゾはタシケント市民で他人のスマホで禁止された撮影をしたことでこの国特有のお役所仕事に巻き込まれた感じだ。ああ、せっかくの最初の出会いがこれだぁ!