だいぶ前になってしまいましたが、NHKのEテレ「日本人は何をめざしてきたのか 知の巨人たち」http://www.nhk.or.jp/postwar/program/past/です。録画したのを少し前にやっと見ました…。その中で「第5回 吉本隆明」さんです。
吉本さんの、自分の考えや理論にあてはめて人間社会を語ろうとするのではなく、現実に起こっている事を自らが持っている言葉で語ろうとするスタンスが好きに感じました。知識人は大衆に見下ろすような位置が主流な中で、吉本さんは、自分自身を大衆とはいわないまでも、現実の社会の中には含まれている、とするスタンスが大事なように感じます。その時の社会を語る理論というのは、絶対的恒久的なものでも創造的なものでもなく、その時に選ばれた一つの考え方という結果なだけなのかなと感じます。
同じシリーズで「第8回 手塚治虫」さんです。手塚さんがマンガに描こうとししていたテーマが、大きく重たいものであるのを初めて知りました。その重いテーマに思い悩み迷う主人公というのが、手塚さんの描きたかったことを表現しているそうです。アトムやレオがそんなに悩んでいるとは知りませんでした…。それをとても練られた長編のストーリーにのせ、愛嬌のあるキャラクターに込めて描くというマンガは、私が学生の頃読んでいたマンガとの違いに驚きです。