久しぶりにTVネタで、週末に観てた録画の中からNHKの「BS世界のドキュメンタリー」です。一つは、「チェルノブイリ“鋼鉄シェルター・プロジェクト”のすべて」、原題「INSIDE CHERNOBYL’S MEGA TOMB」、国際共同制作 Windfall Films / NHK / BBC / PBS(イギリス / アメリカ 2016年)
http://www6.nhk.or.jp/wdoc/です。
チェルノブイリ原発の事故を起こした原子炉建屋が、昨年末に、こんな巨大なアーチ型トラスの強固なシェルターで覆われた、というのをこのドキュメンタリーで初めて知りました。日本で、海外ニュースとして紹介されたら気が付くと思うので、扱われてない気がするのですが…。
すごいです。全く前例の無い構造物を、全く前例の無い放射線の影響のある環境の中で造り上げる、という、人間は優れた能力が集められた時は、やはりバカにできないなと素直に思います。普段、どちらかというと懐疑的に思うタイプなので…。
計画から工事までが18年!、工事期間が7年!、世界40ヶ国による出資と、事の重大さのリアリティとそこに対処する本気度のスケールが全く違います。事故が1986年なので、その5年後には応急措置の石棺をどうするかの検討が始まっていたということですよね。
余談ですが、構造物の役割を考えれば、「鋼鉄シェルター」よりは原題の「TOMB」の方がしっくりきます。国際共同制作でNHKも入っているのですが、NHKでの放送は無く?、BSでの国外の番組扱いでのOAなのですかね。果たして、この国はいつになったら1Fと向き合う気なんでしょうかね。
もう一つは、「あの夜 壁が現れた ~ベルリン分断の目撃者たち~」、原題「Berlin Wall: The Night the Iron Curtain Closed」、Sky Vision(イギリス 2014年)
http://www6.nhk.or.jp/wdoc/です。
こちらは逆に、たった一晩、厳密には深夜12時〜朝6時までのたった6時間ほど!で、ベルリンの壁は造られ、西ベルリンは壁に囲まれた、というこちらも驚きの内容です。この1961年8月に出現した壁は、1989年11月の東西の国境開放で一瞬で存在が無になるわけで、事の大きさと時間軸や人の関わりなどを、なんだか考えてしまいます。
こちらも余談ですが、ベルリンの壁は28年存在してたのですが、今年で壁が無くなって28年になるんですよね。私の年齢では、壁の存在はとても長いように感じ、壁の崩壊はつい最近のことのように感じますが、なんだかこちらも時間軸は長いのか短いのかよく分かりません。ちなみに、チェルノブイリの「TOMB」は、計画から工事完了まで25年だったりします…。