ある方のお薦めで25日に再放送された『桃源郷』を見ました
『桃源郷』を辞書で引くと
陶淵明「桃花源記」に描かれている桃林に囲まれた平和で豊かな別天地から》俗界を離れた別世界。仙境。理想郷。 とあります
そんな理想郷を原籍と言わしめ、最後までこだわったご夫婦の、生き様をドキュメンタリーで17年間追った物語である
お二人は13年に結婚、しかし、すぐにご主人は戦地へ
終戦後、無事に帰還したものの、家も何も焼け野原になっていた
そこでお二人は、自分達が食べるものは自分達で・・・と
故郷に近い山口県岩国市美和町に山を購入し、活路を求めたとのこと
血反吐を吐くような開墾の末、作ったもので収入を得られるまでになった
お二人はそこに家族と両親を呼び寄せ、暮らし始めたが
昭和36年に3人の娘さん達のために、大阪へ出て、個人タクシーをしながら
娘さんたちを育て上げた
気がつけば、娘さんたちも全てかたずき、孫までいるようになっていた
ご主人は、かねてから自分達の老後は、あの原籍である、山で夫婦二人で暮らしたいという強い思いであった
ご主人の説得に、奥様も納得され54年に、18年ぶりに山へ戻って来た
電気も水道もない、自給自足に近い、山小屋での老夫婦の生活が、繰り広げられていた
しかし、そんな両親を何とか引き取り、自分達の側でと、3人の娘達は心を痛めていた
だが、父親の山への強い思いに、娘達の思いも、少しずつ形を変えて行く
両親の思いを叶えてやりたい、一体どうすれば・・・自分達にできることは・・・
両親が山を出たくないのであれば、自分達が逢いに行けばいい
孫、ひ孫をつれて、両親の暮らす山へ、月1回訪れたりする
そんなある日、ご主人が心臓病で倒れたため、二人で美和町の老人ホームへ
しばらくして、体調も落ち着いてくると、ホームと医者にOKをもらい、
「人間テレビを見てじっとしてたらぼける、動かんといけん」と言い
日中山へ行く許可をもらい、二人は畑の手入れをしたり、お風呂を沸かして入ったりと、命の洗濯をするようになった
しかし、又ご主人が倒れてしまい、今度は入院になってしまう
そして、前立腺の癌とも診断されてしまう
熱が下がり、退院してきたご主人を、まるで子供のように名を呼びはしゃいで駆け寄る奥様
三女のご夫婦が、両親を心配し、喜ばせたいがために、大阪から美和に引越しをし、荒れている山や畑の草をかり、種を蒔き育て始める
山に行きたいという父を連れて行くと、荒れていると思った山が、きれいに手入れされているのを、見たときのなんとも嬉しそうな顔は忘れられない
そして、「米を作ろう」と言い「そーよ おじいちゃんが先生で教えてくれんとね」と娘さんが言い、その時の照れたような顔も忘れられない
ご主人は往年92歳で、山へ行きたいと言いながら、旅立たれた
葬儀も山で行われたとのこと
墓参りに三女夫婦に付き添われて訪れた奥様は「おじいちゃんは?」と娘に聞く
「山にいるのよ 呼んでみる」というと「おじいちゃぁ~ん」ととても80うん才とは思えないよく通る大きな声で、呼ばれるのだ
二人で住んでいたころ、山に分け入ったご主人の帰りが遅くて心配になると、いつもそうやって呼んでいたのだ
「おじいちゃぁ~ん」と呼んだ後、ご主人の返事を待つように耳を澄ます奥様
「聞こえたろ」と言う娘に「聞こえん」と答えて、とても不安そうな表情が、心を締め付ける
奥様は物忘れの症状がひどくなり、病院に入院されているとのこと
最後に、娘さんが゜「こんな親はおらへんと思う、すごい良い親を持つて幸せ、良い人生の生き方を教えてくれた」とおっしゃっていた
娘さんたちも、ご両親の心をちゃんと受け継いだ、すばらしい方達だと思った
私達は二人姉妹で、既に母は8年前、父は4年前に他界している
「親孝行したいときに親はなし」とはよく言ったものです
この方達のような立派な両親ではなかったが、それなりに私達姉妹のことを、考え、心配し、誰よりも、私たちの幸せを願っていたことはたしかです
反対に、では私達が、娘さんたちのように、親を思い、行動したかといえば
「ノー」ですね
感動して、後悔して、両親をしのび、妹を思い、涙が流れるのをとめようがありませんでした
人生の終盤になり、不安に押しつぶされそうになる今日この頃
精一杯、生をまっとうしなければいけないと、私は教えられたようで、がんばらないとと今、思ってます
親はどんな時もこどもの幸せを祈っているのですね。
わたしの両親は80代半ばでふたりで暮しています。
わたしはたくさん親に心配をかけて生きてきました。
ずっと離れた場所で暮していたのですが、
年々弱っていく両親を見て、せめて出来るだけ近くに住んでいたいと思い、決心して昨年ふるさとに戻ってきました。
夫は仕事を変わらなければならないし、大変だったと思いますが、わたしの気持ちを最優先してくれたのでとても感謝しています。
今は出来るだけ頻繁に顔を見に行っています。
言い過ぎたり、言えなかったり、、。
子どもが世帯を持つとそれぞれの家庭の事情もあって、もっと難しくなる。
適度な距離を置くことと、お互いが親離れ子離れしないといけない。これも難しい。
そんなこんなで、歳を取るとどうしても弱気になって依頼心が増すものだけど、あのお爺さんの自立心は凄いです。
そして、あの親にしてこの子あり、なんでしょうね。
人生いかに生きるべきか、最高のお手本を見せて頂いた気がします。
ご主人も、まるで三女の方のご主人のような方なのですね
それだけ奥様を大切に思われているのですね
大切な奥様の、ご両親であり、願いをできるだけ、叶えてあげたいと思われたのでしょう
素敵です
父が生きていれば、今年でちょうど80歳、母は79歳です
花さんのご両親がもっと、もっと元気で長生きされるよう、お祈りしています
これぞまさしく、親の背中を見て、成長する、ですね
この方を見ていて強く思ったのは、とても愛情深く、誠実な方ということです
今の日本がなくしているものです
武士のような生き方を連想してしまいました
余りに急速に生活のレベルがあがり、今の生活を得るために、捨ててしまった、大切なもの
そんな気がして、仕方ありません
素敵な夫婦、親子ですね。
3月になったら私の母を引き取り面倒を見ることになりました。多少、認知症ではありますが、親孝行をしようと改めて思いました。
素敵なお話をありがとうございます。
なんとか、伝わったみたいなので、ほっとしました
私はこの文章を書きながら、またまた涙、涙でした
私には両親はすでにいませんので、代わりに主人を大切にするよう、心がけようかなぁ~と、今の所思っています(ホホホ)
>3月になったら私・・・
いろいろあるかとも思いますが、エールをお送りいたします