急行特急は行く…

－－それは、贅沢な悩みであり、１つの幸せの象徴と人は言う－－
金を持ち、権力に武器に物を言う者の下に立つと言うこと。
使うもの、使われるもの、悩み・つらみは２人それぞれにあって、どちらがましで、どちらのがきつい、と言う比べあい等、意味をなさない。

橙色の明かりが射す住宅街のいつもの道を彼は歩く。
－－また、今日もか－－
嫌気と怒りが混じる閉塞感に満ちた胸に彼は悪態をついた。

涼風鈴子「はいぃ～はよぉ～ざいますぅ～涼風鈴子の“Morning on”どっすぅ～。さて３月の３日、ひなまつりですが、まぁいつでも半祭な“Morning on”であります。またもキー操作ミスで急行特急ＴＨは、“Morning on”の一度創った原稿をなくしてイライラしてる様ですね」

急行特急ＴＨ「(正解！と立看板を出す)」

涼風「なくした原稿では、“Morning on”に一昨日と昨日、得体の知れないキャラクターが登場し、出て来る人物が増えたなぁ～とアドバイザーイドワイザー氏と話す形になってまして、対話形式のが番組進行がやり易いって言う話があたし的にも急行特急ＴＨ的にもありますねーって言う話をしてましたが、まぁにしてもあんまり増えると収集がつかなくなるんですけどねぇ。話のネタの為に致し方無いですが。何か３０年も４０年も前に使われた常套手段に呆れ果てましたぁ～ですよねぇ。今更～なぁ～、俺様～なぁ～、かたっなぁ～な感じ、よく解らない、そんな事が台本に書いてあるぅ～括弧実話であります。えー大変中味がありませんが話が続かなくなりました故、“Morning on”、今朝はここまでと致します。ではまた」

昔、銀幕のスターは…で始まる、ファンの歌手『誰の様でもなく』。時折、歌いたくなる曲の１つで今朝、ふと歌ってみた。

誰の様でもなく、誰の為でもなく、誰にも似ていない、世界でたったひとりで自分でありたい、と願いが込められた部分もある曲。
独自色があること、誰の様でなくありたいと願うことと共に、「誰にも受け入れられる世界にたったひとりの自分であること」、それがあるべき望まれる姿であろうが、そんなヒーローみたいな存在は物語の話なんだろうか？

AM6時半前で日が上り、朝日が。夜明けが早まったと感じた３月３日ひなまつり。

－－勝てない喧嘩をまたおっ始めようってか？－－

雨降る深夜。
彼は、水滴で曇るガラスにぼやけた自分自身を映した。

－－勝ち目はない。それは解っている。けれど、この胸の中で沸き立つ、‘‘屈したくはない，，、‘‘負けたくはない，，、‘‘自分は間違ってはいない。自分を攻め立てる相手が悪いんだ，，って想いは消えない－－
彼は、弱く窓ガラスをドンと言う身近い軽重い音を立てて叩いた。
この想いが相手に伝わって、思い直してくれたのなら良い。
しかし彼の想いを伝えれば伝えようとするほどに、‘‘言い訳，，と言う言葉で片つけられる事がこれまで何度あっただろうか？その度に感じ生まれた、恨みつらみそして怒りの重さがあることは誰も解りやしない。
－－この想い、一体どこにどうやって葬り去れば消えるのだうか？自分ばかり間違いだとこれ以上責め立てられてはかなわない－－
勝てない喧嘩の相手へを憎む彼に明日はあるのだろうか？
－－悪いのがいつも自分自身と決めつける奴等を打ち負かす方法が今は欲しい。我が身を守りつつ、そして自分の味方になってくれる沢山の誰かが－－
闇は深まるも雨はやまない。
朝が来て、光は射すも、彼を導く光が射す朝がくるまであとどれくらいなんだろうか？
勝てない喧嘩に勝てる力を持つ事を望む彼の願いを聞き届け叶えてくれる誰かに会いたい想いが普段以上に強まった深夜、煮えきらぬ気持ちのままに彼は短い眠りにつく事にした。