若草が生える丘に寝そべり、遥平は少し曇で霞んだ空を眺めていた。
――穏やかなもんだなぁ――
これで総てがうまく回っていたなら、と思うがそうは行かないのが現実だった。
――平日の昼間ってこんなに静かなんだ――
時計の秒針の事を忘れてしまうくらい何もかもが麗らかでゆっくりとしていた。
――こんな時を楽しむにはまだ早すぎる年齢だよな、俺――
何も考えずただひたすらに流れ行くまま、流れるままにいる事への罪悪感と変わらね変えられぬ現実。一見良さそうでも悪いそれは、この霞んだ青空に似ていた。
――つまらないな――
どうにもならない今をもて余す。何もしないままに出来ないままに、足跡だけがまた1つ多くなった。