読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

富豪刑事・優しい時間

2005-01-27 23:56:57 | 観た、聴いた
木曜日は「テレビの日」である。
普段はあまりテレビを観ない、観ないようにしている。
テレビは、大切な夜の貴重な時間の「テキ」なのである。
だから「今日は!」と覚悟を決めた日だけはテレビを観るようにしている。
で、木曜日は「テレビの日」なのだ。

「富豪刑事」は21時からである。「優しい時間」は22時である。
やらなければならないことは、21時まで終わらせておいて、ゆっくりとした気分で2時間観ることとにしている。

実を言えば、ワタシ、筒井康隆のファンであります。
しかし、富豪刑事の原作は読んでいません。
いませんが、筒井先生の原作ということで、第一回から楽しみに観させていただきました。
そうしたらですねえ、期待にたがわぬ「ハチャメチャ」ぶり。こんな馬鹿げた設定でやってくれましたですねえ。
通常、設定に凝ると、中の人物はシリアスというかリアルになってしまう。
しかし、これは、徹底してふざけ倒している。これがすごい。
深田恭子が、傍からみれば「とんでもないヤツ」を好演している。「とぼけた」というか「天然」の役は深田恭子「ハマリ」である。
夏八木勲も今までのイメージとは違って「笑わせる」役でイメチェン?というカンジである。
兎も角「金に物を言わせて」事件を解決するというのは、妙にばかばかしくて、楽しい。

そんな「オバカな」つまりは「思想」も「メッセージ」もないドラマというのは心をリラックスさせてくれる。
もっとも、この「思想もメッセージもない」というところがクセモノであって、そういうふうに思わせておいて、実は、世の中や社会を皮肉っているのではないか、と思うのである。
「思想もメッセージもない」というふうに徹底して作ることがいいと思うのである。

さて、そんな一時間をすごした後は「優しい時間」倉本聰である。
これはシリアスでやや重い、のだが、ところところで「遊んでいる」のがおかしい。
この物語は北海道の富良野、という設定がいい。

富良野であれば、そこで繰り広げられるドラマが陳腐であっても、ひねりがなくてもいいのだ。
だからといって、陳腐でひねりのないドラマでなく、抑制のきいた、いいドラマになっていると思う。

近頃のテレビは、騒々しさと、中途半端なバカバカしさと、本当に思想もメッセージもないことと、やたら感動をさせようとするものが多いだけに、この二つのドラマは、なんだかホッとさせてくれるのである。

願わくば、あまり長寿にならずに、いいところで終わってもらいたい。
いい質のものはいい量と組み合わさって、更に良くなると思えるのだが・・・

追伸
 「マリーアントワネットの娘」(藤本ひとみ)完読。「ローマ人の物語10」塩野七生まだ読んでる。「モーニング」と「チンギスハーン3」(横山光輝)を購入。




コメント
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