読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

青春のうた 第69巻 1970年代中期21

2008-10-10 22:24:01 | 読んだ
1.俺たちの旅/中村雅俊 1975年10月

テレビドラマ「俺たちの旅」の主題歌である。
このテレビドラマは見ていない。
この頃は一人暮らしをしていたころでテレビも冷蔵庫もない時代であった。
評判のドラマであることはなんとなく知っていたのだが・・・
にもかかわらず、この歌はリアルタイムで聞いていた。

小椋佳の作詞・作曲で、この年「シクラメンのかほり」もヒットしレコード大賞を受賞しているが、そちらよりこの歌のほうが好きだった。

シクラメンのかほりは純度が高いように感じられたが、俺たちの旅はいい意味での雑味というかなんともいえない青春のもやもやしたものが込められているように感じられるのが、純度の低い私にとっては心地よかったのかもしれない。

雑味というのは、歌手・中村雅俊と布施明のせいかもしれないが、中村雅俊のぶっきらぼうな歌い方というのも、この歌の魅力の一つではないだろうか。

気取らず、ただ語るような歌い方は、小椋佳の作品に似合いである。


2.揺れるまなざし/小椋佳 1976年7月

この歌は化粧品のコマーシャルソングだったと思う。

♪不思議な揺れるまなざし♪

というフレーズはすごく印象的であった。

小椋佳の歌は「語る」部分と「歌う」部分とが明確になっている、というのが印象である。
歌うために語るというのがはっきりしているので、伝えたいことはよくわかるのである。

そうなんだ、この頃の「歌」はコトバをメロディーにのせて何かを伝えようとしていた。

今の歌は詩から情景をうかべることが難しいが、揺れるまなざしといい俺たちの旅といい情景とか風景とかが目に浮かぶのである。


3.君は悲しみの/イルカ 1976年4月

イルカの歌は断片的に知っている、のである。
で、どちらかといえば伊勢正三の作った歌のほうを知っているのである。

この「君は悲しみの」はなんとなく知っているのであるが、じっくり聴いたことがない。

で、今回聴いてみてわかったのであるが、イルカの歌って「イルカワールド」にあって、誰が作っても「ああイルカだ」と思わされるのであった。


4.かけおち/三上寛 1973年8月

三上寛のコンサートに行って、つばが飛んでくる一番前に座り、聴いたことがある。

そうやって聴く歌ではないだろうか三上寛って、と思ったのである。

普段、CDとかで聴いてもなんとなくインパクトに欠けるような気がする。

三上寛の歌は「生」に限るのである。
この「かけおち」もじっくり聴けば重い感じだし、軽く流すようなものでもないし、どう聴いたらいいのか良くわからないのである。

しかし、生で聴くと三上寛の思いが伝わってくる。


5.リリー・マルレーン/加藤登紀子 1975年6月

物悲しい曲である。
そして、この歌にかかる物語、つまり第2次世界大戦の話、女優マレーネ・ディートリッヒの話が、この曲が紹介されるたびに語られるのがつらかった。

そういう悲しい話や感動的な話は、当時の私にとっては「興味の外」だった。
できる限りそういう話を避けていた時期であった。

というわけで、知ってはいるけれど避けていた曲なのである。


6.妹/かぐや姫 1974年5月

まだ高校生だったときの歌である。

「神田川」「赤ちょうちん」「妹」というのがかぐや姫の三部作である。

神田川・赤ちょうちんまではなんとなく許せたのが、続いて「妹」というのは『なんだかなあ』という気がしたものである。
ところがこの曲もヒットし「勢い」というのはすごいものだなあとおもったし、「鉱脈」を掘り当てたんだなあと思ったのである。

とはいいながら、なんだか森昌子の「せんせい」「同級生」「中学三年生」という並びに似ていて、かぐや姫も「売れる」という方向に身を売ったのか、という感慨を持ったのである。

当時は「売れるために何でもする」という考え方、或いは「売れたが勝ち」というのはなんだか体制派のような気がしてあまり好まれなかったような気がする。

で「体制に身を売った」という疑惑が持ち上がった途端、かぐや姫は解散してしまうのである。
このあたりが今でも人気になっているところではないだろうか。
つまり、かぐや姫の考え方のなかに「売れてヨシ」というのがなかった或いは少なかったのではないだろうか。

そういう背景があった「妹」であるが、この曲はなんといっても「間奏」が好きである。
詩はなんだか気恥ずかしいので、この間奏が救いである、という感想なのだ。

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