読書日記 嘉壽家堂 アネックス

読んだ本の感想を中心に、ひごろ思っていることをあれこれと綴っています。

暴雪圏 佐々木譲 小説新潮連載<最終回>

2008-12-28 17:56:18 | 読んだ
小説新潮に連載されていた「暴雪圏」が最終回となった。

佐々木譲の作品であるからして「警察モノ」であるが、今回はひとつの事件がおきてその解決、というものではなく、群像劇であってそれぞれに犯罪が存在するという複雑なツクリである。

北海道では何年かに一度発達した低気圧によってものすごい暴風雪が起きる。
というのが物語の柱である。

この暴風雪は警察も消防も救急車も出動が不可能になるくらいで、つまりは家に閉じこもって過ごすしかない状況に陥るのだそうだ。
車で走ることは自殺行為であり、ともかく辛抱して家にいなければならない。

そんな気候の中、暴力団事務所に強盗が入り組長の妻を殺し金を奪って逃げる事件が発生する。
追う警察も逃げる二人の犯人も暴風雪に阻まれる。

また、ちょっとした心の隙間を埋めるために出会系サイトで知り合った男に付きまとわれている女は男を殺そうと決意する。
事務所の金を持って逃げようとする男。
家出を図る娘と手伝う男。

こういう人たちが暴風雪の中、停電のペンションで一夜を過ごす。

警察は身動きが取れない。

「川久保巡査長」という駐在所の警察官が警察側の主人公。
「制服捜査」という小説の主人公だったらしい。

登場人物たちの多さとそれぞれの物語があってよく把握しきれていないところがあり、最後がちょっとあっさりと終わってしまったという印象があるが、なかなか面白い物語であった。

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