【ホトトギス】
今年もホトトギスの咲く頃となりました。
独特な斑模様が鳥のホトトギス(杜鵑)の体の模様に
に似ているところからついた名前だとか。
ホトトギスといえば、カッコウの仲間で
同じように托卵(たくらん)をする鳥として知られています。
ごぞんじのように、托卵とは鳥が他の鳥の巣に卵を産み
抱卵・育雛(いくすう)を托す習性のことを言います。
美しい歌声と裏腹に育児放棄のなんとも冷淡に思える鳥なのです。

さて人間界はといいますと、男性も積極的に育児に関るようにと
政府も推奨する社会となってきたようですが
実際のところはどうなんでしょうと思っておりました。
そんな矢先、病院の待合室でとても微笑ましい父娘に出会いました。
私たちが子供の頃は、父親だけで病院に子どもを連れてくる光景など
殆ど見たことがありませんでした。
自分も子どもを持つようになった頃でさえ
大抵は、母親かおばあちゃんと一緒にやってきていて
ごく稀に見かける父親は、いかにも仕方なくやってきた感じで
病状もきちんと伝えられないような人が多かったような気がします。
ところがここ数年、病院にやって来る父親と子どもを
見かけるようになりました。
その日であったのは、3~4歳の女の子を連れたすらりと背の高い
何処かのバンドのメンバーのようなスタイルの
なかなかのイケメンなお父さんでした。
受付を済ませ、ソファに座ろうとすると
子どもが本を読んで欲しいとせがんでいました。
「好きな本を持っておいで。」と言われた子どもは
喜んで一冊の絵本を持って戻ってきました。

彼女の持ってきたのは、 『11ぴきのねこ ふくろのなか』 でした。
馬場のぼるさんの絵本シリーズの中の一冊でした。

こっそり聞き耳を立てていると、こんな会話が聞こえてきました。
「この本読んだことあるの。」
「うん!」
「何回もよんだことあるの?」
「うん!!」
「じゃあ○○ちゃん、お父さんに読んで聞かせてよ。」
「だめ~!お父さんによんでほしいもん!」
「そうなの?じゃあ読んであげるね。」
そう言って、本のページをめくり読み始めました。
「『花をとるな』って書いてあるけど一本くらいはいいよね?」
「だめ~!ぜったいダメ~!」
「『橋を渡るな』って書いてあるけどゆっくり渡れば大丈夫だよね。」
「だめ~!だめだめ!」
もうすっかり子どもは、本の世界に入り込んでしまっているようでした。
・・・このお父さん、なかなか上手いのです。
読み方だけでなく、時々本の内容に合わせて子どもに質問をしながら
どうしてダメなのか問いかけながら読んでいるのです。
かわいらしい絵と意外なストーリー展開がおもしろい『11ぴきのねこ』シリーズ。
子供向けでありながら、集団心理、団結することの大切さをいつも描いていて
大人も最後ニヤリとさせられてしまう絵本なのです。
慣れた様子で本を読み終える頃に、診察室に入って行きました。
続いて私も呼ばれ、診察の様子が耳に入ってきました。
とても的確な医師との受け答えにも感心させられました。
なるほど、これが最近のイクメンなんだわ・・・
と少し羨ましく思えて来ました。
何しろ我が家では、考えられない事態でしたもの。
治療中にちょっと痛くて、「おと~さん~~~」とべそをかき
父親の手をぎゅっと握った様子がとても微笑ましく思えました。
この子はどんな女性に育つのかしら・・・
そんなことを思いながら、病院を後にしました。
数日後、近くのショッピングセンターでそのお父さん見かけました。
娘は一緒ではありませんでしたが、奥さんと買い物をされていました。
大きなショッピングバッグをさっと抱えて歩いていく様子は
なかなかのイケダン(いけてる旦那さん)でもありました。
イケメンのイクメンは、イケダンでもあったのでした。



お付き合いありがとうございました。

今年もホトトギスの咲く頃となりました。
独特な斑模様が鳥のホトトギス(杜鵑)の体の模様に
に似ているところからついた名前だとか。
ホトトギスといえば、カッコウの仲間で
同じように托卵(たくらん)をする鳥として知られています。
ごぞんじのように、托卵とは鳥が他の鳥の巣に卵を産み
抱卵・育雛(いくすう)を托す習性のことを言います。
美しい歌声と裏腹に育児放棄のなんとも冷淡に思える鳥なのです。

さて人間界はといいますと、男性も積極的に育児に関るようにと
政府も推奨する社会となってきたようですが
実際のところはどうなんでしょうと思っておりました。
そんな矢先、病院の待合室でとても微笑ましい父娘に出会いました。
私たちが子供の頃は、父親だけで病院に子どもを連れてくる光景など
殆ど見たことがありませんでした。
自分も子どもを持つようになった頃でさえ
大抵は、母親かおばあちゃんと一緒にやってきていて
ごく稀に見かける父親は、いかにも仕方なくやってきた感じで
病状もきちんと伝えられないような人が多かったような気がします。
ところがここ数年、病院にやって来る父親と子どもを
見かけるようになりました。
その日であったのは、3~4歳の女の子を連れたすらりと背の高い
何処かのバンドのメンバーのようなスタイルの
なかなかのイケメンなお父さんでした。
受付を済ませ、ソファに座ろうとすると
子どもが本を読んで欲しいとせがんでいました。
「好きな本を持っておいで。」と言われた子どもは
喜んで一冊の絵本を持って戻ってきました。

彼女の持ってきたのは、 『11ぴきのねこ ふくろのなか』 でした。
馬場のぼるさんの絵本シリーズの中の一冊でした。
![]() | 11ぴきのねこふくろのなか |
ねこたちの行く先々に「花をとるな」 「橋を渡るな」等など禁止の立て札が。 でも、ねこたちは、花を取り、危険な橋を渡って 「入るな」と書いてある大きな袋に入り…。 ※ ![]() | |
こぐま社 |

こっそり聞き耳を立てていると、こんな会話が聞こえてきました。
「この本読んだことあるの。」
「うん!」
「何回もよんだことあるの?」
「うん!!」
「じゃあ○○ちゃん、お父さんに読んで聞かせてよ。」
「だめ~!お父さんによんでほしいもん!」
「そうなの?じゃあ読んであげるね。」
そう言って、本のページをめくり読み始めました。
「『花をとるな』って書いてあるけど一本くらいはいいよね?」
「だめ~!ぜったいダメ~!」
「『橋を渡るな』って書いてあるけどゆっくり渡れば大丈夫だよね。」
「だめ~!だめだめ!」
もうすっかり子どもは、本の世界に入り込んでしまっているようでした。
・・・このお父さん、なかなか上手いのです。
読み方だけでなく、時々本の内容に合わせて子どもに質問をしながら
どうしてダメなのか問いかけながら読んでいるのです。
かわいらしい絵と意外なストーリー展開がおもしろい『11ぴきのねこ』シリーズ。
子供向けでありながら、集団心理、団結することの大切さをいつも描いていて
大人も最後ニヤリとさせられてしまう絵本なのです。
慣れた様子で本を読み終える頃に、診察室に入って行きました。
続いて私も呼ばれ、診察の様子が耳に入ってきました。
とても的確な医師との受け答えにも感心させられました。
なるほど、これが最近のイクメンなんだわ・・・
と少し羨ましく思えて来ました。
何しろ我が家では、考えられない事態でしたもの。
治療中にちょっと痛くて、「おと~さん~~~」とべそをかき
父親の手をぎゅっと握った様子がとても微笑ましく思えました。
この子はどんな女性に育つのかしら・・・
そんなことを思いながら、病院を後にしました。
数日後、近くのショッピングセンターでそのお父さん見かけました。
娘は一緒ではありませんでしたが、奥さんと買い物をされていました。
大きなショッピングバッグをさっと抱えて歩いていく様子は
なかなかのイケダン(いけてる旦那さん)でもありました。
イケメンのイクメンは、イケダンでもあったのでした。



お付き合いありがとうございました。

