電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

綽頭状元(3)

2007-08-21 23:58:08 | 嘉禾電影
マカオで一番大きなカジノ。しかし伍はあっという間に大金を使い果たしてしまった。ついてない。また一文無しに逆戻りである。

一方、すっかりホテルのオーナー気分になっている鄭は業者に改装の指示を出していた。
企画書まで用意して、ホテル業というものは時代の流れに追いつかなければいけないと熱心なご様子。入り口は豪華にして、むき出しのパイプを隠したり見栄えを良くするためにここの壁はイタリアの大理石にしようとか窓も安っぽいから交換するようにといった具合だ。何も知らない魏は不思議そうな顔をしていたが黙って様子を見ている。鄭はさらに客室は全室冷房完備にして絨毯も高級なものに交換しよう、金はいくらでも出すからと言い出した。

「何の話かね?」魏がついに口を開いた。「改装するんですよ。じゃないと客が来ないですよ。」「あなたには無関係でしょう。」と返す魏。「私のホテルだ。私の勝手じゃないか」まだ伍に騙された事に気付いていない。「このホテルを私に売ったね?」まさかの表情の魏。「先祖代々続いたホテルを手放すものか。頭がおかしいのか。」それなら証拠もあると言う鄭に「あぁ、出してもらおうか」と魏。「昨日2万渡して数えたじゃないか。」確かにそうだった。「ほら見なさい!」と鄭は勝ち誇った顔をした。しかし「あれは伍に返した金だろう?」と反論する魏だが、ホテルの印鑑を押した証書を突きつけられ唖然とする。鄭は紙に触らせないように見せると「これを誰にもらった?」
「伍だよ。あんたの弟だろ。」と鄭が言うと「やめてくれ!私の苗字は魏だ。そんな弟はいない。もう帰ってくれ!」
ホテルから鄭を無理矢理追い出そうとするが、ソファーの代金ももらっていないしそう簡単に引き下がらない。外で口喧嘩がはじまった。

そこに伍がちょうど戻ってきた。どうもホテルの様子がおかしい。この騒ぎに警官も駆けつけたのが見えた。見つからないようにさっと陰に隠れた。すると彼女の苗が伍は悪い人じゃないと鄭に謝っている。お金は返すから今度だけは許してと言ったところで許してもらえるはずがない。それより弁償しないと告訴すると魏に突っかかる鄭。「私を知らないのか。」「出るとこ出るぞ!」「こっちのセリフだ!」「おととい来やがれ。」と凄い押し問答だ。さらにエスカレートする2人は、つかみ合いの喧嘩に。暴力はダメと警官が制止してようやく治まった。

ここで伍はマカオを脱出するしかないと考えた。だが問題はその手段である。伍はすでに香港行きフェリー乗り場の入口に立っていた。何かいいアイデアはないかとひとり悩む伍。そこへ有名人の黄楓(本人)がタクシーから降りてきた。ちょっと頭をひねると何か閃いたようだ。「黄楓監督!」と声を掛けると慣れ慣れしく、お久し振りと言いながら握手する伍。「どちらへ?」「これからロケなんだよ」と黄楓。伍はまたいつもの手で自分が払うからと黄楓に切符を2枚買わせてしまう。どうしても払おうしている様子が滲み出てとてもいい演技だ。無事フェリーに乗った2人。「映画っていい商売ですよね」「いや大変ですよ」と黄楓。「遊ぶだけで金が転がり込むでしょ」「ご冗談を」とジョークで笑わす伍。
しかし、顔に見覚えがなく名前も思い出せない黄楓が「誰でしたか?」と尋ねると「忘れたの?伍徳全です。」と名乗った。「どこで会いました?」「ひどいなぁ。3、4年前に会いましたよ。」と言ったところで腹痛におそわれたフリをしてその場を退散する伍。変だな。向こうは知ってるのにとパイプを銜えながら不思議がっている黄楓は「あなたの顔は有名だから騙されたのさ!」と乗客に教えられるのだった。

ーつづくー
コメント
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