電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

黒夜怪客

2007-10-15 22:10:48 | 嘉禾電影
柯俊雄主演で苗可秀が共演したハードボイルドタッチのアクション映画です。

「スカイホーク鷹拳」や「破戒」の鄭昌和が監督した作品(韓国ロケ)で【嘉禾】では「黒夜怪客」(73)が初となります。(宇進電影公司の製作)

物語は、1人の男がある組織の殺し屋に射殺された。男が持っていたアタッシュケースに入っていたのは財宝のありかを示す地図だった。
主人公のワン(柯俊雄)は海の男で腕っ節が強く、港にいるチンピラどもの相手ではなかった。そんなワンであったが組織からの依頼を受け、父親の借金返済の為、とある仕事を引き受けた。それは海に沈んでいる財宝(金の延べ棒)を探すというものだった。前金をもらって借金を返済し晴れて彼女(苗可秀)と結婚するワンであったが…。
お宝探索の当日、ワンと組織の人間たち(南宮勳、洪性中)はクルーザーに乗りこみ沖へ出た。現場に到着しワンが海底に潜ると、そこには確かに沈没船があった。そしてお宝を発見、ワンの仕事はここまで。組織の連中が財宝を引き揚げて歓喜していると、元日本兵の荒木(易原)、カオシャン(洪金寶)、ポンウェイ(楊威)、ツイチェンティエン(黄仁植)の4人組がボートに乗って襲撃してきた。ワンたちが出航する前から狙っていた彼らは財宝を横取りするつもりだったのだ。財宝は戦時中ビルマから日本へ運ぶ途中に沈没したものだった。咄嗟にワンが船に火をつけ、海に飛び込んだ隙にワンはひとり脱出に成功する。
数年後、牧場で妻と5歳になる娘の3人で平和に暮らすワン。彼はお気に入りの劇団に寄付するまでの実業家になっていた。しかし、ある雷雨の夜、ワンの家を黒いサングラスの暴漢が襲ってきた。それは6年前の事件でワンがまんまと撒いた4人組の1人だった。

・・・と韓国を舞台にアクション映画の巨匠・鄭昌和が金の延べ棒を巡って拳銃アクションあり、カーチェイスあり、トロッコありの争奪戦を展開する無駄のないアクション映画です。ラストに残ったのはサモハンと黄仁植の2人。このラストの大物2人と柯俊雄の対決は息を飲んでしまいます。

冒頭、ノンクレジットですが劉永が港でのファーストバトルに出てきます。(バンコク?ここでは何と劉家榮の顔も見える。)
白いTシャツが似合う主役の柯俊雄は台湾生まれ。台湾で多数映画出演し亞州影帝とも呼ばれていましたが、この時期に【嘉禾】と契約し「心蘭的故事」(72)に続いて苗可秀と共演。この映画での貫禄も十分でした。易原(荒木一夫役)はこの数年間に黄楓監督の「山東響馬」や「黒路」などに出演、そして鄭昌和作品に出演という貴重な時期を過ごしました。前半に登場する南宮勳は鄭昌和監督の関係から出演し、チェンゴン役の洪性中も「破戒」や黄楓監督作品に出演しています。(武術指導の陳全もチラっと出演)

また、興味深いのはこの作品の製作時期が73年3月である事で、これは何を示すのでしょうか?
それは、サモハンがブルース・リーと共演した「燃えよドラゴン」も撮影終盤で丁度この時期に当たると思いますが、リーは相手役を計画しており、私はサモハンが「黒夜怪客」撮影中に韓国から呼ばれ、記念すべき「燃えよドラゴン」のファーストシーンに出演したということになるのでは?と考えています。
コメント (1)
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