電影フリークス ~映画のブログ~

電影とは、映画のこと。その映画を一緒に楽しみましょう。

劉家榮、劉家良・・そしてサモハンと。

2012-06-29 00:00:00 | 七十年代作品【1978】

前回の『鬼馬功夫』つづきです。

今度は1000元の大物・胡良(唐偉成)に狙いを付ける主人公・皮球だったが、
25元の賞金首・八極(鄭康業)を仲間割れした胡良から救い出し、懸賞金をもらいに警察へ。
しかし、目の前で死んでしまって折角の苦労が水の泡に。
チェン・カンイェー(下)

聚香楼に戻った皮球は、胡良打倒の協力者を募る。
テーブルで誰かと話しているとさすがの今回は大物だけに断られた。
すると、うしろの男(大細眼)が立ち上がった。
肩をポンと叩いてしまったダー・サイアン

早速、胡良のところへ向かって対決したものの、やはり胡良は手強かった。
応援を頼もうと聚香楼にいた包揚天に話して、胡良の屋敷に戻ってみると
胡良は「男は殺したぞ」と言い、皮球が包揚天を連れてきたと告げると
ならば部屋の奥で勝負しようと蛇拳高手・包と対決することになった。

劉家榮の蛇拳は必見!

老練・包の蛇拳に手を焼いた胡良は奥の手を出す。

これが神打の術だ。(ウィルソン・タン)

神打の術で無敵となった胡良は、包揚天を酔拳を使って退けた。

 これは見物。酔拳VS蛇拳

最後の手段だと、3人目の男・葉孤行(徐少強)を呼び寄せる皮球。
たとえ死んでいても半額の500元の賞金が出るという強敵を倒すため次々に挑戦者を送り込む皮球だった。
 剣士ツイ・シウキョン
しかし、胡良のキレのある剣捌きの前に剣士・葉孤行も敗れてしまう。

舞台は「ヤングマスター」ラストでも有名なあの場所!

そして誰もいなくなった聚香楼で、困り果てる皮球。
小梅に相談してみると、自らの腕を磨くしかないと言われ蛇拳を試してみることに。

町ではコブラを売る店があって店主(西瓜[包リ」)に話しかけるが、
どうも蛇はシックリ来ないのであった。
 右:サイ・ガーポウおじさん

すると隣ではウナギの店があった。
”ウナギ”にするか”蛇”にするか迷っていると、何か閃いた様子の皮球。

「よし、これでいこう!」と決意

ウナギと戯れるうちに秘技”ウナギ拳”を編みだした皮球は、胡良を倒すための準備をすすめていた。
野原で修行中

修行でウナギ拳を身に付けた皮球は、神打に打ち勝つには何かが必要と感じていた。
「何か秘策は?」と小梅から言われると、「君のはいてるパンツが欲しい」と本音を漏らすが、彼女にパシリと頬を叩かれてしまった。

うなぎを料理してみた。

しかたなく老鴇の店に行くと、デブ女・霞姑(徐愛心)が出てきた。「これだ!」
デカパンの女

準備も整い、ついに胡良と対決する時が来た。

 
ウィルソン・タン。ビシっ。フィニッシュ大好き!

ならこっちビシっとね(笑)

まずは剣で対抗してみせる皮球だが、やはり相手は百戦錬磨の胡良。
着ていた服も切り刻み、護身用の鎧も剥いでしまった。

そして、出た!ウナギ拳!!!
腰には「邪」の文字が・・。

つるつるすべって容易につかめない体(これは油ね!)。
こうなったら奥の手、神打だ。(弱点は「龍の忍者」と同じ。)
デカパンを被せ、神打を封じる皮球。
「これでどうだっ」

意地を見せる胡良に皮球は最後の武器を使う。
結果はウナギ拳・皮球の勝利。今度こそ賞金はもらえるのか・・!?
隊長に捕まってTHE END

少々この映画について語ってみると、これはダーティ。要はズルいカンフー使いの男の物語ということになるんでしょうね。
ワン・ユーがそのズルいことばかりやる主人公で(つまり卑怯だということだが)、なぜ周囲の人間は命を落とす危険だってあるのに彼に力を貸して、あるいは騙されて敵と戦う気にさせられてしまう、そんなカリスマ主人公に仕立てたのか。
それはユエン・ウーピンの「蛇拳」(正式なタイトルである『蛇形チョウ手』。猫爪がちょっとズルい手だったのですよね。)がまさにちょっとズルいことして敵に勝った結末であったからなのでしょうね。劉氏兄弟はは『蛇拳』を相当意識し、さらにグレードアップ。巻き返しを計ったに違いありませんね。ウィルソン・タンも協力者ですが底力を見せた劉氏兄弟による『鬼馬功夫』。是非、まだ未見の方はこのあたりを着目していただきたいと思います。

とても楽しい作品でした。

『鬼馬功夫』の客入りはなかなか好調だったようで、上映開始直後のパーティでは監督の劉家榮(ラウ・カーウィン)をはじめ、主演のワン・ユーやセシリア・ウォンとナット・チャン夫妻が出席。他にもカール・マックや劉家良と劉家輝の顔ぶれも。そして、なんとなんと劉家榮が『老虎田[奚隹]』で共演したサモハンまでが出席していたそうです。
当然ながら次の映画の話も上映後すぐに出ていたようなのですが(サモハンと劉家榮ならこれは近い将来の「モンキーフィスト猿拳」のことでしょう。劉氏なら「ガッツフィスト魔宮拳」か?)
サモハンが劉家良や劉家輝と同じ会場にいたということでいろいろと想像してしまいますね(笑)。
サモハンと劉家良と言うと、89年の「ペディキャブドライバー」での対決がありましたが、これはまだまだ先の、それも10年も先の話ですからね。 

コメント (3)
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