ワン・ユー(2008年没)
ワン・ユー(汪禹)。この人もいっぱいカンフー映画に出演なさっていましたけど、その殆どが邵氏だった気がします。
ワン・ユーの主演映画は以前、『功夫小子』(1977)を書いて以来になりますか。 今回の研究レポートの『鬼馬功夫』は、その彼が1978年に主演した功夫喜劇映画です(監督は劉家榮)。
『鬼馬功夫』
製作プロは劉氏兄弟公司になります。 これは『鬼馬功夫』が製作された当時のエピソードですけど、劉家榮が多忙だったためラウ・カーリョンが監督や武術指導を手伝ったとインタビューで語っています。確かに78年後半は空いてしまっている感もあるんですが、まぁ兄弟ですからね。
劉家榮、汪禹、黄杏秀、劉家良
この映画ではワン・ユーが川で泳ぐウナギを見て、それを自らの体で表現して体得するというシーンがあります。このシーン(動画参照)が大好きなのですけど、ワン・ユーが世にも奇妙なウナギ拳を生み出す瞬間であるのです。
ウナギをつかまえた!
ちなみにこのシーンや映画の随所で流れてる音楽がチャイコフスキー作曲「くるみ割り人形」のなかの「中国の踊り」という曲だそうです。(情報提供:Aceさん) ちょっと短い曲ではありますが、この映画にはとても効果ありますね~。
うなぎ踊りかな?
先日、たまたま公園を歩いていたらカモの親子が池を泳いでいたのを見ました。とっても可愛らしかったですね。(どっかにカルガモ拳なんてないかなぁ。)
『鬼馬功夫』ではウナギ拳と蛇拳などのカンフーと多彩な出演者たち。そして、最後の強敵、ウィルソン・タンが神打を使うという絶妙な組み合わせ。いかがでしょうか、この劉氏兄弟が用意した最高のディナーは!!!
それでは、ストーリーと登場人物を順に見ていきましょう。
冒頭、仕掛られたワナに敵を反対に引っかけてしまうお約束のシーン。
こうなるはずが・・。
やっぱりこうなっちゃう(笑。
ここに出てくるのは魚頭雲と杜少明。(2名ともクレジット有り)
左:魚頭雲(余允名義) 右:杜少明
主人公の皮球(ワン・ユー)は、賞金稼ぎ。
「オレが山崎邦正・・じゃなかったワン・ユーだよ」
張り出されたビラを見て賞金首の鐘風を捕まえようと計画。
ヒゲの男がターゲット
食堂でチャンルン と。
懸賞金50元に目がくらみ、まずは鐘風に似ているということでヒゲを書かせて無理矢理犯人に仕立ててカネを騙し取る皮球。
うひゃひゃひゃひゃ
次に見ず知らずの葬式に忍び込み、 キョンシーに化けてピョンピョン跳ねながら死体を運び出す皮球。
これはちょっと悪ノリしすぎか・・。。
道士(ホー・パッコン)も登場する。
林正英にちょっと似てるねホーさん
警察へ鐘風と偽って運んでくると、さっきの家族が駆け込んできて失敗!
保安隊長(カール・マック)とビリー・チャン
皮球は偶然、町でホンモノの鐘風(高崗)を見かけるが、
トンプソン・カオ(高崗)
肝心のカンフーの腕前は凄腕とは言えず 聚香楼で仲間のバウンティハンター達に
黄志強、陳狄克、京柱 (ノンクレジット出演)
吹っかけて 捕まえてもらい、そのオコボレをもらったりする。 そして、女主人・老鴇(許瑩英)の売春宿にいた鐘風を発見。
許瑩英「きゃー店を壊さないでー」
稼ぎ仲間(黄樹棠)を利用して、賞金首を捕獲してもらうことに成功。
ウォン・シュートン
しかし、カネは貰えずじまい。主人公は終始こんな不運に見舞われる。 皮球は鐘風からスったサイフに入っていたビラから新たな情報を知る。
黄振堂(馮克安)は200元の懸賞金。
フォン・ハクオン
包揚天(劉家榮)の手を借りて 、
キセルを使うラウ・カーウィン
今度こそ分け前をもらえると思っていたら、実は皮球にも死体を盗んだ罪で5元の懸賞金がかけられているのを知らされ、
「えー、そんな!」
驚いて走って逃げた。 そして、女友達の小梅(黄杏秀)と一緒にカジノへ。
セシリア・ウォン
次のカモは亀公徳(石天)という30元の男。
なかなか動きのいい石天。功夫良から指導を受けたのだろうか?
猿拳を操るこの男を何とかやっつけて手中に収めるが、賭けで負けてしまい自分の運の無さに反省する。
博打に手を出さなければ・・・。
(後半へつづく)