「少林寺羅漢拳」はメン・フェイ(孟飛)やカーター・ワン(黄家達)、そしてシー・フォン(徐楓)主演の75年の古いカンフー映画です。
注)邵氏の「少林羅漢拳」(原題『三闖少林』)とは別の映画です。
少林寺を舞台とし、ある男の復讐劇ともう一人の青年の出生の秘密がキーワード。
十八羅漢が登場しますが、形だけのものに見えますね(笑。
私が中学生のころ、この映画をテレ東で放送するって時に
塾に通っていたのでその時間帯はテレビを見れなくって
とても悔しい思いをした記憶がありました!(相当昔の話・・・。)
83年の新聞のテレビ欄に載ってたのを引用してみると、
幻のカンフー秘技大爆発なーんて書いてあって
この宣伝が、余計に悔しい思い(当時はですね)をしたんだと思いますが
その解説は”過去を悔いて少林寺の僧になった父と、父を捜す若者の運命的な出会い。”
なのだそうです。たった一文で映画を表現する新聞欄って凄いなぁと思いますね。
この頃はテレビでの放送がとても多かったのですが、周辺とか関連するものとか、また見直してみたりしてみると面白いですね。
そういえば、同じテレ東で「少林寺羅漢拳」の前の年には
アニメ「ドラゴン水滸伝・四大魔王との戦い」も放送してましたね。
このアニメはVHSも発売されたようですが、
(どうやらビデオ発売前に放送されたらしい。)
今でこそカンフーのアニメなんて当たり前のようにありますけど、
当時は「ドラゴン水滸伝」(劇場公開済み。)のようなアニメもあったりして楽しかったですね。
さて「少林寺羅漢拳」を久しぶりに見てみると、確かに古い映画であるので
作りもシンプルで、いかにも台湾らしい地味な映画だと感じますね。
(どちらかというとドラマに近い。)
ロケ地は「拳精」などで有名な台湾の行天宮。半分ぐらいはここで
撮影したシーンじゃないかって言うぐらいこの寺院が出てきます(笑。
ここは関帝廟だそうなので、横浜中華街の関帝廟に行ったようなものですね。
で、ここを少林寺として黄色い法衣を着た僧侶たちが羅漢となって寺を守るという設定です。(確か「拳精」も羅漢たちがこの行天宮で出てきましたね)
1、2、3、4・・・16人。あと2人います。
このフォーメーションはラストでもう一度出てきます。
メンフェイさん
映画の序盤。ある武芸者(カーター・ワン)から友人に赤ん坊が預けられて10数年。成長した青年(メン・フェイ)は、育ての親から衝撃的な事実を知らされる・・・。
こう書くと主役はメン・フェイのはずなんですが、最後まで見ると結局よくわからなくなって来ます(笑。
日本語版でメン・フェイの声をアテたのが、なんと石丸博也。
(これは珍しいケースでしたね。)
メン・フェイさんはいつも女優さんに囲まれている感じですが(羨)、
この映画でも旅に同行するスリの女とか、いつもどうなるのかなと展開が気になります(笑)。
ちょっとはしゃいでる感じ?
ここの敵のお相手が楽しい!(孟飛版「笑拳」!?)
「カモン、カモン」
最後は「まわし蹴り」。ひょうきんなメンフェイ
テレビだとメンフェイの登場シーンがいくつもカットされてます。たとえば
夜、姉に怒られ家に戻らされた後の次の朝のシーン。
町を歩いて、輪投げのゲームをするメンフェイがカット。
確かに本筋とは無関係のあまり重要なシーンじゃないんですが、
輪投げのウマさにビックリします。(NGを何回出したか知りませんけどね(笑。
逆に海外盤DVD(短縮版)だと、スリの女が食堂に入って来てからのシーン、
夜、屋敷に来たチャンイーらとシーフォンが戦うシーンがカットされています。
↑で、よくわからないと書きましたのがチャン・イー(張翼)です。この映画では盗賊のボスになったり、後半には政府の回し者(ラストはさらに別人に・・。)といろいろ変わってしまうのです(苦笑。
チャン・イーって武侠片の若い頃は主役を張ったりしてたのに、
悪役をやるようになったのはいつ頃からなのかちょっと気になりますね。
チャン・イー
衝撃のラストシーンを演じたカーター・ワン。
カンフーアクションは少ないので、ちょっと物足りないですが
冒頭で少しアクションを見せた後、少林寺の僧になって
ヒゲを生やした物静かな人物を演じています。
(「少林寺への道」よりちょっと前ぐらいになるのかなと思います。)
少林寺管長になったカーター・ワン
あまり活躍する場面が無いですが、シー・フォンが
メン・フェイの姉という設定でした。(年齢的にそうなってしまうのかな??)
出番が少なくてちょっと勿体無いですね。
姉御
この映画は「カンフー十八羅漢陣」というタイトルのVHSが発売されていましたが、
気になるデータとしては、字幕なしの英語版というビデオ
という話は有名でしたけど、これが約90分のロングバージョンであるということ。
また、英語タイトルは"18 Shaolim Disciples"と、
shaolin じゃなくて最後がm の"shaolim"になっているのがちょっと不思議といえば不思議。
(通常なら少林はshaolinとなるはず)
映像でも海報でも同様の表記でした。
”十八”の人文字のフォーメーションで十八羅漢完成!
THE END
住職ことロケ地刑事です!
(昨年、佛光山から帰って捜索に目覚め、ロケ地コーナーまで作り始めてしまいました… 気が遠くなりそうです。)
行天宮はですね、最近発見したのですが、メジャーな台北の本宮ではないのです。
自分の写っている写真と比べると柱やフォントが違うので、おかしいなとは思っていたのですが…
他はそのシーンを見ていないので判りませんが、「十八羅漢陣」に限って言いますと、北投の分宮(關渡行天宮)なのです。
(リンク先は発見時のタレコミ寺記事です。)
当時の新聞記事によりますと、少林寺ものの製作は冒険で、これ以前には余り無かったそうです。
ところで、ボーボー茶の台湾版CMにも使われていた(と記憶していますが)龍山寺など、中心街のお寺の山門が続々LEDになっている様ですね。
知人の写真を見てびっくりしました。
佛光山は新しくなったとは言え、そんな事はありませんでしたが…
不二門が電光だったらショックだなぁ…
貴重な情報ありがとうございます!
行天宮、見た目がそっくりだったのですっかりだまされていました!(本宮ではなかったのですね)確かにあんなごみごみしているところが本当にそうなのかなと思っていたのですが・・・。映画ではいろんな映画で出てきますが、どれも本宮ではないのかも知れないですね。ロケ地めぐりは現地へ行ってみなければ分からないこととか、ほんとに行ったらいろいろなことを知ったり、考えたり出来ますし、いいものですね。(私もいつかは・・・。)「忠義站」行きたくなっちゃいました(笑)。
先日、ラーメン巡りの旅中、大久保駅のそばに媽祖廟が出来ておりました。外から眺めただけですが、こんな繁華街にも出来ちゃうんですね。びっくり。