昨年制作され、台湾のテレビ局で放送されたドキュメンタリーがありました。
台灣演義シリーズの『電影教父郭南宏傳』と題された番組で、郭南宏(クー・ナンフン。又名、ジョセフ・クオ)の60年もの長い映画人生を振り返る内容となっています。
郭南宏先生
先生の映画人生は波瀾万丈、番組では70~80年代にかけての黄金期も過ぎ、不毛の時代がやってきて、80年代にビデオが普及し始めた頃には業績不振となり、(つまり映画館には観客も足を運ばなくなった)映画も製作できない状態になったと言います。
映像では、作品をいくつか振り返りながら監督ご本人のインタビュー、コメンテーターとして戚冠軍(直接関わった作品は『百戰保山河』(1979)のみ)、文芸映画については韓湘琴(武侠片だと『奪命金劍』などに出演した女優)らが出演して当時の様子を語ったりしていました。
ご高齢となった後年は、学生に映画製作について教鞭を取ったりする立場となり、後世に映画製作を伝える活動などをされているようです。
同番組は基本的には映画評論家の黄仁氏が書いた著書『電影教父郭南宏』を下敷きとしているようで(著者もちらっと登場)、
同書籍からの画像が多数使われています。
こちらがその本
電子書籍も発売されており、日本からGoogle Booksなどで購入できます。
番組の途中で、「ドラゴン太極拳」についての話が出てきますが、日本のテレビ局で放送されたことが”太極元功日語版”として紹介され、実際のテレビの映像が映し出されます。
大木民夫のナレが入る
同書には「少林寺への道」が日比谷の映画館などで上映された様子なども掲載されているようですが、作品の日本でのテレビ放送が現地のドキュメンタリーの中で紹介されるということは監督にとってもうれしく、輝かしい出来事だったのではないでしょうか。
日本においては、「少林寺への道」DVDがリリースされたのが記憶に新しいところ
ですが、最近は他の作品もあまり話題になることもなくなってしまい少々残念な気持ちです。
今後は郭南宏作品も順番に観ていく予定ですので、記事も書ける範囲で少しずつ更新していこうかなと思います。どうぞお楽しみに。
ジョセフ・クオ作品は追加撮影がまず頭に浮かびます。
"銅人"ものといえば、この人ですが、李藝民が主演の"錬功小子片"も佳作がありますね。『虎豹龍蛇鷹』、『雙馬連環』あたりはオススメです。
それに、『武當二十八奇』のような怪作もありますね。
追加撮影ですか。「少林寺への道」ですと日本に売るために日本側からの要望などを盛り込むためにオリジナルを変更したという話があるそうです。
今回記事を書いてみてジョセフ・クオはやっぱりいいなぁと思ったりしました。クワイさんも今までに彼の功夫片を沢山観てきていると思いますが、監督が時代の流れに沿ってどんな映画を作っていったのか追いかけてみたくなり、またいろいろ見始めようと思っています。
李藝民の主演作品についてもまだ記事をほとんど書いてませんので、いずれはきちんとした形で残したいですね。