お彼岸を前にお寺から送られてきた『春の彼岸法会』の案内の中に、こんなことが書かれていました。
あのねママ
ボクどうして生まれてきたのかしってる?
ボクね、ママにあいたくて
うまれてきたんだよ
(『あなたにあいたくて生まれてきた詩』 宗 左近 新潮社)
上の作品「ママ」は三才の田中大輔くんが話しかけてきた言葉を母親が書きとめたものです。世界中の哲学者が悩み、問うてきた難問をものの見事に解決しています。子どもの詩というものは、ときに、わたしたちを宇宙の果てまでつれていってくれます、と。
私はこれを読んだ時、はっとし、何という無邪気さ、可愛さなんでしょうと、思わず涙ぐみました(最近歳のせいか涙もろくなりました)。
三十数億年前、この地球に生まれた「いのち」は一度も途切れることなく今、私の「いのち」、あなたの「いのち」としてここに在る。何と不思議なんだろう。何と感動的なんだろう。大輔くんの詩は、そのことを天使の様な無邪気さで教えてくれます、と。
何の落ち度もない人を突然傷つけたりの凶悪事件、幼い子供達、お年寄りに向けられる虐待、いじめなどの新聞紙上を賑わわせる事件の多くは、どれも「いのち」の尊さを忘れているからでしょう。
お寺からの『春の彼岸法会』の案内は、あなたもどうぞ「いのち」に感謝を捧げましょう、で結ばれていました。
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