ラッキーあぐら

幸運の上にあぐらをかく状態

ツナグ 想い人の心得

2022-12-23 22:46:33 | 本と雑誌
今日読み終った本は辻村深月『ツナグ 想い人の心得』
あれから7年たったのだなぁ。
短いのか長いのか、判断は難しいものだけど
良い作品に再び出会えたことは嬉しい事である。
次は何年後だろうって待つ楽しみを味わうわけだ。
『ツナグ』はただ単純に亡くなった人と会えるという事ではなく
ひとり1回しか経験できないという事ととか
縁がないと出会えないという制約がかなりある。
そういう中でたった一夜の再会だからこそ
物語として盛り上がるのである。
さて、私だったら誰と会う事を望むだろうって
当然考えるわけであるが
『居ない』
何かを伝えなければならなくて亡くなった人が居ない。
たった一人と考えると難しいのだ。
何人とも何回とでも会う事があったら居るんだけど
『・・・・の作品は面白いよ』て言ってくれた人が
・・・・の部分を今度会った時に聴こうって思っていたのに
他界してしまったので
聞き逃しが聞き逃しのまま終わってしまったのだ。
人の出会いは自分が思う程、当たり前が続くわけでは無い。
・・・・はどの作家だったのだろう?
時々答えのない聞き逃しを思い出すのである。
考えてみると
その事で他界してしまった人の事を忘れずにいられるのだ。
聞き逃しがツナグ状態なのかもしれない。
ダンディーだった先輩の顔を今日もこうして思い出している。