久し振りに指をカミソリで切ってしまいました。
患者さんの顔の毛を剃って、気づかずにいたようです。
着替えをさせているときに、「あれ?誰の血?」
私の血でした。
息子さんが「退院祝いにこれを着ようかと」と綺麗な白い
Tシャツを用意してくれていました。
その上に、シャンブレーのワンピースです。
「ちょっと膝丈で短くない? あれ、あれない?レギンスってやつ」
膝小僧が見えそうなくらいの丈でしたから、寒そうです。
お化粧は、薄くファンデーションをぬり、マスカラをちょっとだけ。
「ちゃんとお化粧してよねって、言ってたんですよ」と
お母さんが話していました。
チークをちょっとつけようと思って、
「ブラシない?」とずっと私が探していました。
(ないんですけどね)
スタッフが、「さっきからあるんですけど・・・・」
「あ、私が欲しいのはフェイスブラシ」
「あ~~そうか、おかしいと思ったんですよ~さっきから置いてあるのに」
チークのときにちょっとブラシでつけたかったのでした。
ブラシはないけど、これは?といって櫛を差し出したスタッフもいました。
みんなで「ブラシ違いね~」と笑っていました。
私が作ってあげていた小さなピアスもつけました。
「これはおでかけにつけるって、ずっと言っていましたから・・・・」
今日が旅立ちの日でした。
二度と帰ることのない旅立ちです。
涙を流しながら、あたたかい時間が流れました。
「かあちゃん、寂しいな・・・・・・」
息子さんは泣きながら顔をなでていました。
私も今までにないくらい、泣きました。
シーツに涙がぽたりぽたりと落ちて、涙は枯れないものだと
考えたりして。
私をいつも誉めて下さる患者さんでした。
「師長さん、大好き。面白いんだもん。それで何でもできるってみんな
言ってる。それにすごく可愛いんだもん。」
会うたびに言ってくれました。
指の傷は、その方に比べたら笑っちゃうくらい小さな傷でした。
その方の皮膚にあったものは、今までに見たことのない大きな傷が
いくつもいくつもありましたから。
頑張って闘病生活を過ごして、先に逝ってしまったのは私と同じ年齢でした。
代わりに、雛が元気に育っていました。
もう巣が狭くて狭くて。
カラスが狙っているようです。
もう鳴いているから、気づくのでしょうね。
患者さんの顔の毛を剃って、気づかずにいたようです。
着替えをさせているときに、「あれ?誰の血?」
私の血でした。
息子さんが「退院祝いにこれを着ようかと」と綺麗な白い
Tシャツを用意してくれていました。
その上に、シャンブレーのワンピースです。
「ちょっと膝丈で短くない? あれ、あれない?レギンスってやつ」
膝小僧が見えそうなくらいの丈でしたから、寒そうです。
お化粧は、薄くファンデーションをぬり、マスカラをちょっとだけ。
「ちゃんとお化粧してよねって、言ってたんですよ」と
お母さんが話していました。
チークをちょっとつけようと思って、
「ブラシない?」とずっと私が探していました。
(ないんですけどね)
スタッフが、「さっきからあるんですけど・・・・」
「あ、私が欲しいのはフェイスブラシ」
「あ~~そうか、おかしいと思ったんですよ~さっきから置いてあるのに」
チークのときにちょっとブラシでつけたかったのでした。
ブラシはないけど、これは?といって櫛を差し出したスタッフもいました。
みんなで「ブラシ違いね~」と笑っていました。
私が作ってあげていた小さなピアスもつけました。
「これはおでかけにつけるって、ずっと言っていましたから・・・・」
今日が旅立ちの日でした。
二度と帰ることのない旅立ちです。
涙を流しながら、あたたかい時間が流れました。
「かあちゃん、寂しいな・・・・・・」
息子さんは泣きながら顔をなでていました。
私も今までにないくらい、泣きました。
シーツに涙がぽたりぽたりと落ちて、涙は枯れないものだと
考えたりして。
私をいつも誉めて下さる患者さんでした。
「師長さん、大好き。面白いんだもん。それで何でもできるってみんな
言ってる。それにすごく可愛いんだもん。」
会うたびに言ってくれました。
指の傷は、その方に比べたら笑っちゃうくらい小さな傷でした。
その方の皮膚にあったものは、今までに見たことのない大きな傷が
いくつもいくつもありましたから。
頑張って闘病生活を過ごして、先に逝ってしまったのは私と同じ年齢でした。
代わりに、雛が元気に育っていました。
もう巣が狭くて狭くて。
カラスが狙っているようです。
もう鳴いているから、気づくのでしょうね。