Potential of aromatherapy

aromatherapy and golf and movie

別れはいつもついてくる、幸せの後ろをついてくる

2010年06月08日 | 雑記
久し振りに指をカミソリで切ってしまいました。
患者さんの顔の毛を剃って、気づかずにいたようです。
着替えをさせているときに、「あれ?誰の血?」

私の血でした。

息子さんが「退院祝いにこれを着ようかと」と綺麗な白い
Tシャツを用意してくれていました。
その上に、シャンブレーのワンピースです。
「ちょっと膝丈で短くない? あれ、あれない?レギンスってやつ」

膝小僧が見えそうなくらいの丈でしたから、寒そうです。

お化粧は、薄くファンデーションをぬり、マスカラをちょっとだけ。
「ちゃんとお化粧してよねって、言ってたんですよ」と
お母さんが話していました。
チークをちょっとつけようと思って、
「ブラシない?」とずっと私が探していました。
(ないんですけどね)

スタッフが、「さっきからあるんですけど・・・・」
「あ、私が欲しいのはフェイスブラシ」
「あ~~そうか、おかしいと思ったんですよ~さっきから置いてあるのに」
チークのときにちょっとブラシでつけたかったのでした。

ブラシはないけど、これは?といって櫛を差し出したスタッフもいました。
みんなで「ブラシ違いね~」と笑っていました。
私が作ってあげていた小さなピアスもつけました。
「これはおでかけにつけるって、ずっと言っていましたから・・・・」

今日が旅立ちの日でした。
二度と帰ることのない旅立ちです。
涙を流しながら、あたたかい時間が流れました。
「かあちゃん、寂しいな・・・・・・」
息子さんは泣きながら顔をなでていました。
私も今までにないくらい、泣きました。
シーツに涙がぽたりぽたりと落ちて、涙は枯れないものだと
考えたりして。

私をいつも誉めて下さる患者さんでした。
「師長さん、大好き。面白いんだもん。それで何でもできるってみんな
言ってる。それにすごく可愛いんだもん。」
会うたびに言ってくれました。

指の傷は、その方に比べたら笑っちゃうくらい小さな傷でした。
その方の皮膚にあったものは、今までに見たことのない大きな傷が
いくつもいくつもありましたから。

頑張って闘病生活を過ごして、先に逝ってしまったのは私と同じ年齢でした。

代わりに、雛が元気に育っていました。




もう巣が狭くて狭くて。



カラスが狙っているようです。
もう鳴いているから、気づくのでしょうね。