NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

#81 ロバート・ナイトホーク「Sweet Black Angel」

2009-06-07 10:44:39 | Weblog
#81 ロバート・ナイトホーク「Sweet Black Angel」(Drop Down Mama/Chess)

ロバート・ナイトホークの、代表的ヒット・ナンバーを。ナイトホーク自身のオリジナル。

ジョニー・シャインズ、ハニーボーイ・エドワーズ、フロイド・ジョーンズらを収めたコンピレーション・アルバム「Drop Down Mama」で日本でもよく知られているナイトホークは、1909年アーカンソー州ヘレナ生まれ。67年、同地にて57才で亡くなっている。

本名・ロバート・マッカラム。戦前はロバート・リー・マッコイ、ランブリング・ボブなどといった名でレコーディングしたのち、改名。歌のみならず、スライド・ギターもよくこなすブルースマンだ。

きょう聴いていただく「Sweet Black Angel」は、BBが改作し、ステージでも定番曲となった「Sweet Little Angel」の、元歌としても知られている一曲だ。

どこか翳りのある落ち着いた歌声、そしてまるで人声のようによくうたい、泣くスライド・ギター。実に雰囲気があるね。

BBみたいにテンションの高い、ステージ・アクトで映えるタイプのブルースマンもいれば、ナイトホークのようにメランコリックで、モノローグ的な世界をもつブルースマンもいるのだ。

現在、入手できる音盤はごくごく少ないが、残されたわずかな曲でも、彼の独自の魅力を知ることが出来る。

名は体を表すとはよくいったもので、彼の芸名「Nighthawk(アメリカヨタカ)」は、いかにもその芸風にぴったりだと思う。

しっとりとしたそのサウンドは、あくまでも夜に聴くのがふさわしい音楽、そういう気がする。

シカゴ・ブルース・シーンで活躍しながら、そのテイストは正統派シカゴ・ブルースというよりは、戦前のブルースに近い。

サニーボーイ一世、ビッグ・ウォルター、ルーズベルト・サイクス、バディ・ガイなど、新旧さまざまなシカゴのブルースマンたちと共演をしているが、彼はやはり彼。

どのようなスタイルで演奏しても、人生の苦み、渋みを、その歌とスライド・ギターに味わうことが出来る。

これこそが、ミュージシャンにとって一番重要な「存在感」ではないかと思います、ハイ。