2010年5月8日(土)
#121 テキサス・ジョニー・ブラウン「The Blues Rock」(Atlantic Blues: Guitar/Atlantic)
#121 テキサス・ジョニー・ブラウン「The Blues Rock」(Atlantic Blues: Guitar/Atlantic)
28年生まれのギタリスト/シンガー、テキサス・ジョニー・ブラウンがアトランティックに残したインスト・ナンバー。彼自身のオリジナル。
ミシシッピ州チョクトーに生まれ、テキサス州ヒューストンにてミュージシャンとなる。40年代後半より、エイモス・ミルバーン、ボビー・ブランド、ジュニア・パーカーらのバックにて演奏。代表的なプレイは、ボビー・ブランドの「Two Steps From The Blues」におけるギター。
アトランティックやデッカ、デュークにて自分名義の録音をする機会をもつが、フル・アルバムを出すことはずっとなかった。
97年、ようやくチョクトー・クリークというレーベルからアルバム「Nothin' But The Truth」をリリース、01年にも「Blues Defender」を出している。苦節70年、とてつもなく遅咲きのブルースマンなのである。
さて、きょうの一曲はアトランティックで49年に録音した3曲のうちのひとつ。ラテン・ビートにのせてブラウンのギターとテナーサックスがリードをとる、重厚なホーンアレンジが印象的な一曲だ。
短めながらそのギター・ソロには、キラリとしたセンスが感じられる。ジャズっぽいサウンドの中でブルーズィな異彩を放っているといいますか。
ちなみにここでシブいピアノを弾いているのは、当時のバンマス、エイモス・ミルバーン。
ブルースというカテゴリに属してはいるものの、きわめてサウンド指向の高い、ハイ・クォリティな仕上がりだ。ジャズ・ファンにもおススメ。
ブラウンは今年82才。いまもしっかり健在のようで喜ばしい限りだ。
ほぼ同世代のBBなどとは、知名度的には比べるべくもないが、ブルースマンとは一国一城のあるじ。個性、そしてキャリアで勝負すればいいのだ。
テキサス・ジョニー・ブラウンもまた、曲数こそ少ないものの、いくつかの名演奏でわれわれの耳、そして心に残っていくであろう、筋金入りのブルースマンだ。ぜひ、聴いてみてほしい。