NEST OF BLUESMANIA

ミュージシャンMACが書く音楽ブログ「NEST OF BLUESMANIA」です。

#227 ローリング・ストーンズ「Ain't Too Proud To Beg」

2012-07-29 08:50:11 | Weblog
#227 ローリング・ストーンズ「Ain't Too Proud To Beg」(It's Only Rock 'N Roll/Rolling Stones Records)

ローリング・ストーンズ、74年のアルバムより。ノーマン・ホイットフィールド、エディ・ホーランドの作品。

今年結成50周年を迎えた、ストーンズ。ミック69歳、キース68歳、ロニー65歳、チャーリー71歳。平均年齢、実に68歳超ながらもますます意気盛ん、最長命のトップ・バンドとしての記録を更新中である。

そんな彼らの、一番脂が乗り切っていた時代のレコーディング(ロニーは未参加だが)。

曲はといえば、60年代に一世を風靡した黒人ボーカルグループ・テンプテーションズの大ヒット曲。プロデューサーが名チームとの誉れ高いHDH(ホーランド=ドジャー=ホーランド)から、ノーマン・ホイットフィールドにバトンタッチされてからの作品。ただし、作詞はエディ・ホーランドが残留して担当している。

ストーンズの演奏スタイルについて、いまさらあれこれ語るのも野暮というもんだろう。とにかく、「ストーンズ流」を何十年も貫き通している。60年代の末にギターがブライアン・ジョーンズからミック・テイラーに交代したあたりでサウンドがほぼ完成、以降は若干時代のテイストを加味しながらも、基本的な線はあくまでも墨守するという流儀が続いているのだ。

そしてなにより変わらないのが、ミック・ジャガーのボーカル。特徴あるダミ声はそのまま、特に技術的に向上したという印象はないが、それでも彼の存在感は、他のすべてのロッカーたちを軽く凌駕している。ストーンズは、やはり、ミック不在ではストーンズと呼べまい。

「Ain't Too Proud To Beg」もまた、典型的な「ストーンズ節」のひとつだ。スタジオ録音のデッドな感じが、オリジナルのテンプテーションズの立体的なサウンドとは対照的で、音響に奥行きはないかわりに、すぐそばでストーンズが演奏してくれている感じ。

この曲のキーポイントは、やはり前面にフィーチャーされているピアノだろうな。演奏しているのは、6人目のストーンズことイアン・スチュアートではなく、5人目のビートルズこと、ビリー・プレストン。彼の叩き出すタイトなリズムなしでは、この曲はしまりがなくなったに違いない。

この曲ではギターリフやソロに頼ることなく、ひたすらミックのボーカルと、バックのコーラスでまとめている。このコーラスにしても、テンプスのプロフェッショナルらしく洗練されたそれとはだいぶん趣きが違って、いかにもラフな仕上がりなのだが、そこがまさにストーンズ流なのだ。

モータウン発の都会的な楽曲も、ストーンズがアレンジすれば、むしろ南部風の、泥臭いながらも懐かしさを感じさせるナンバーに一変する。

これぞストーンズ・マジックであり、変わらぬ魅力のみなもとだと思うね。

どのくらい違っているかを知るために、オリジナル版も加えてみた。ぜひ、じっくりと聴き比べてみて。

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7月25日(水)のつぶやき

2012-07-26 03:19:21 | Weblog
09:33 from web
ファミマで50円引きセール(おにぎり、サンドイッチ等)やってた。えらく得した気分。

10:19 from web
昨日も結局、かなり飲んじまった(笑)。セーブしながら飲むって、難しい。

10:30 from 読書メーター
【オトメ3原則! (集英社スーパーダッシュ文庫 ま 1-23)/松 智洋】を読んだ本に追加 →book.akahoshitakuya.com/b/4086306875 #bookmeter

10:42 from 読書メーター
【オトメ3原則! (集英社スーパーダッシュ文庫 ま 1-23)/松 智洋】「オトメ3原則」は、結局オチがつけられなかった「迷い猫」のリベンジ戦だな。今回は主人公が全方位外交じゃなく、二者択一パターン、... →bit.ly/MVuxGu #bookmeter

10:45 from web
(後半が切れてしまったので補足) 「迷い猫」では男性キャラ(家康・大吾郎 )がかませ犬に過ぎなかったが、今作ではしっかりラブコメ展開に生かしてくれることを期待。

11:45 from web
結論。ラブは読者の嫁、これでいいのだ。

by Mac_Nakahira on Twitter

7月23日(月)のつぶやき

2012-07-24 03:17:44 | Weblog
09:32 from web
今週もまた、ハジマタ。今月は一日も休みをとってない。たまには休みたいのう。

11:17 from web
今週ひとつめのボーンヘッド。しっかりせいや、自分。

13:16 from web
やったことは褒められないが、橋下氏のマスメディア対応は見事やね。会見場所の変更とか。

13:19 from web
フツーはそこまで配慮出来るものじゃない。

15:43 from web
芸能人のみなさんも、参考にするべし。

by Mac_Nakahira on Twitter

#226 マイティ・ジョー・ヤング「Bring It On」

2012-07-22 12:09:10 | Weblog
#226 マイティ・ジョー・ヤング「Bring It On」(Mighty Man/Blind Pig)

ベテラン黒人ブルースマン、マイティ・ジョー・ヤングのラスト・アルバム('97)より。ヤングの作品。

マイティ・ジョー・ヤングは27年ルイジアナ州シュリーブポート生まれ。その後ウィスコンシン州ミルウォーキーからブルースの本場シカゴに移り、ハウリン・ウルフ、オーティス・ラッシュ、マジック・サムらのバック・ミュージシャンとして活動する一方、60年代は地道にソロ・シングルをリリースしていた。

71年にようやくデルマークからアルバム・デビュー。派手な人気こそ出なかったが、実力派シンガー/ギタリストとして注目されるようになる。

70年代にいくつかのレーベルから、6枚のアルバムを出したが、80年代にはなかなか後続作品が出せず、86年、神経の病気の手術後、ギターが弾けなくなってしまう。

90年に過去のライブ音源からのアルバム、そして97年にラスト・アルバムを出し、99年にこの世を去ってしまうのだが、ギターが弾けない体になってもなお、10年以上かけてこのアルバムを完成させたというのだから、ヤングの音楽にかける情熱はハンパではない。まさに命をかけた遺作。

アルバムには10曲が収録されているが、うち3曲は手術前の録音であり、ヤング自身のギター・プレイも聴ける。残りのトラックは、ウィル・コスビーというギタリストが演奏している。

きょうの一曲「Bring It On」は、手術前のライブ音源から。彼の歌とギターの魅力を余すことなく伝えているナンバーだ。

曲はステロタイプなスロー・バラード。どこかで聴いたことがあるメロディ・ライン、あるいは歌詞なのだが、とにかく彼の歌が圧巻なのだ。

録音された時期は、おそらく彼の50代後半だろうが、30年以上のプロとしてのキャリアが、その力強く、それでいて円みのある歌声に詰まっている。

男の孤独、哀感、憂愁。そういったものを、すべて感じさせてくれる、見事な歌唱なのだ。

ギターソロのほうは、ほんのワンコーラスなのだが、これまた琴線に触れる泣きの連続で、いうことなし。

特に目先の変わったこと、難しいことをやっているわけでない。でも、オーソドックスなスタイルの中にこそ、至高のものがあるのだと、彼の歌や演奏を聴いて感じる。

この良さ、子供にゃあわかるめぇと、ついつい思ってしまうのだが、いやいやむしろ、若い衆にこそ、味わってほしいのだよ。時間をかけて熟成させた本物の美酒が、そこにはあるのだ。

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