#122 THE BAWDIES「HOT DOG」(Getting Better)
日本のロックバンド、THE BAWDIES(ザ・ボウディーズ)のニューシングル。メンバーのひとり渡辺亮(ROY)の作品。
昨年4月、当コーナーで初めてTHE BAWDIESを紹介したが、彼らのその後一年間の活動ぶりは「めざましい」のひと言だ。
メジャーデビューアルバム「THIS IS MY STORY」が第二回CDショップ大賞を受賞したほか、音楽系ケーブルテレビやFMではずっとパワープレイが続いているなど、しっかりその(実はエッチな)名が浸透している。
メジャーデビュー当初より彼らを絶賛してきた筆者としても、うれしい限りだ。
THE BAWDIESというバンドは、ロックンロール、R&Bといった黒人発祥の音楽の本質を、初めて正確に把握したジャパニーズ・バンドなのだと筆者は思っている。
一昨年、ザ・ネヴィル・ブラザーズの日本公演を観たときに筆者が感じたことは、「ロックンロールって、実に軽くて、実に重い音楽なんだな」ということ。
ハイスピードで軽快に流れていってしまうように見えて、実は非常にヘビーなサウンドの裏打ちをともなっている音楽、それがロックンロールなのだ。
その「重さ(ヘビーネス)」というのは、リズム楽器の演奏による「重さ」もさることながら、「ことば」をともなった「うた」の持つ「重さ」にこそ由来するものであると思う。
思えば何十年も、われわれ日本人はロックンロールの歌い方をはき違えていた。とにかく軽く、リズムにようやく乗っかってうたうことしかできなかった。
ごくまれに桑田圭祐のような天才が現れるものの、おおかたのシンガーには無理であった。
そんな中、ごく若い世代から、ボーカルに最重点をおく、真にロックンロールを理解した突然変異的なバンドが出現、筆者は狂喜したわけである。
20代の日本人バンドが、40年も前のCCR、ゼムといったバンド風の、玄人好みのブラックな音を歌い、演奏しているんだから、たまらない。
で、彼らのインタビューを聞くに、最も影響を受けたアーティストのひとりにリトル・リチャードがいる、と聞いて大いに腑に落ちた。
多くの日本のバンドが、比較的近年の国内アーティスト、あるいはせいぜい手を広げて同時代の海外バンドばかり聴いているのに対し、この「溯り」ぶりはハンパでない。筆者は、70年代に50年代の音を聴いて感動を受け、自分の音楽感性を培ったものだが、それ以上のマニアックな探求ぶりに、脱帽である。
まあ、しちめんどくさいことはこのへんにして、とにかくきょうの一曲を聴いてみよう。
まさにダンス・ミュージック、パーティ・ミュージック。ノリノリで踊れる音なんである。
ROYの最高に黒くパワフルな歌声、シンプルだが、彼の歌に見事ハマったバンド演奏。
自分も40年前、こういう演奏ができたらなと夢想しつつ、ついに実現できなかった音がそこにある。
THE BAWDIES、ブレイクはもう目前だ。貴方の耳で、そのスゴさを確認してほしい。
日本のロックバンド、THE BAWDIES(ザ・ボウディーズ)のニューシングル。メンバーのひとり渡辺亮(ROY)の作品。
昨年4月、当コーナーで初めてTHE BAWDIESを紹介したが、彼らのその後一年間の活動ぶりは「めざましい」のひと言だ。
メジャーデビューアルバム「THIS IS MY STORY」が第二回CDショップ大賞を受賞したほか、音楽系ケーブルテレビやFMではずっとパワープレイが続いているなど、しっかりその(実はエッチな)名が浸透している。
メジャーデビュー当初より彼らを絶賛してきた筆者としても、うれしい限りだ。
THE BAWDIESというバンドは、ロックンロール、R&Bといった黒人発祥の音楽の本質を、初めて正確に把握したジャパニーズ・バンドなのだと筆者は思っている。
一昨年、ザ・ネヴィル・ブラザーズの日本公演を観たときに筆者が感じたことは、「ロックンロールって、実に軽くて、実に重い音楽なんだな」ということ。
ハイスピードで軽快に流れていってしまうように見えて、実は非常にヘビーなサウンドの裏打ちをともなっている音楽、それがロックンロールなのだ。
その「重さ(ヘビーネス)」というのは、リズム楽器の演奏による「重さ」もさることながら、「ことば」をともなった「うた」の持つ「重さ」にこそ由来するものであると思う。
思えば何十年も、われわれ日本人はロックンロールの歌い方をはき違えていた。とにかく軽く、リズムにようやく乗っかってうたうことしかできなかった。
ごくまれに桑田圭祐のような天才が現れるものの、おおかたのシンガーには無理であった。
そんな中、ごく若い世代から、ボーカルに最重点をおく、真にロックンロールを理解した突然変異的なバンドが出現、筆者は狂喜したわけである。
20代の日本人バンドが、40年も前のCCR、ゼムといったバンド風の、玄人好みのブラックな音を歌い、演奏しているんだから、たまらない。
で、彼らのインタビューを聞くに、最も影響を受けたアーティストのひとりにリトル・リチャードがいる、と聞いて大いに腑に落ちた。
多くの日本のバンドが、比較的近年の国内アーティスト、あるいはせいぜい手を広げて同時代の海外バンドばかり聴いているのに対し、この「溯り」ぶりはハンパでない。筆者は、70年代に50年代の音を聴いて感動を受け、自分の音楽感性を培ったものだが、それ以上のマニアックな探求ぶりに、脱帽である。
まあ、しちめんどくさいことはこのへんにして、とにかくきょうの一曲を聴いてみよう。
まさにダンス・ミュージック、パーティ・ミュージック。ノリノリで踊れる音なんである。
ROYの最高に黒くパワフルな歌声、シンプルだが、彼の歌に見事ハマったバンド演奏。
自分も40年前、こういう演奏ができたらなと夢想しつつ、ついに実現できなかった音がそこにある。
THE BAWDIES、ブレイクはもう目前だ。貴方の耳で、そのスゴさを確認してほしい。