ジャニス・ジョプリンの最後のスタジオ盤「Pearl」に収録されたナンバー。ジェリー・ラゴヴォイ、モート・シューマンの作品。
筆者的にこの曲は、4人時代のヤードバーズのライブ盤(ペイジが発売差し止めさせたヤツ)で聴き親しんだ曲なのだが、同時代のジャニスも歌っていた。
もともとは、男性黒人シンガー、ガーネット・ミムズが、66年にヒットさせたナンバー。
ミムズはドゥーワップグループ、ゲイナーズを経てエンチャンターズを結成、「Cry Baby」を63年に大ヒットさせる(ミリオン)。
ミムズは64年にソロシンガーとなってからも活躍、「I'll Take Good Care Of You」やこの「My Baby」などをリリースしている。
派手な人気はなかったので、時代の流れとともに、ミムズの名前はすっかり忘れられたが、今もこうして、ジャニスやヤードバーズ、そしてその後身、レッド・ツェッペリンなどの演奏で、彼の功績を思い出すことは出来る。ZEPの69年頃のブートで聴かれる「As Long I Have You」もまた、ミムズのナンバーであった。
ジャニスの最後のアルバムでは、この曲と「Cry Baby」、二曲もミムズ・ナンバーを取り上げている。いかに彼女が、ミムズを好んで歌っていたかが、よくわかるだろう。きょうはスタジオライブの音源で聴いていただこう。
直後の悲劇的な死を全く予感させない、大らかで、高らかな恋人讃歌が、心にしみるね。
いつものブルージィなジャニスとはまた、一味違う。これもまたジャニスの持つ様々な顔のひとつなんだろうな。
ハッピー&ソウルフルな一曲。「Pearl」というアルバムが聴き続けられる限り、ミムズのオリジナルも不滅なんだと思うよ。
この曲を聴く