日頃小説を書く身の上としては、他人の作品を読んで研究することが多いのだが、とりわけ私が気になっている言葉遣いに「コミュ障」というのがある。
これはコミュニケーション障害の略語だが、その本来の由来を知らずに無自覚に使っている書き手がとても多いように思われる。
かなり以前なら「自閉症」という言い方があったのだが、それはいろいろと誤解や偏見を生む用語なので、この言葉、あるいはより広がりのある言葉として「発達障害」という言葉に置き換わって来たという経緯がある。
つまり、もともとパーソナリティ上の分類ではなく、精神の病気の名称なのだ。
だから、使うからには細心の注意をはらうべきであるのに、おもにライトノベル、それもファーム(2軍)レベルの素人小説を中心に、無自覚に乱用されているのが実情だ。
書き手の皆さんは、今一度、この用語の正しい意味を学び直していただきたい。
コミュ障は、「引っ込み思案な性格」とは違うのですよ。