NEST OF BLUESMANIA

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音盤日誌「一日一枚」#384 THE ROLLIG STONES「STICKY FINGERS」(ROLLIG STONES CK 40488)

2022-12-03 05:00:00 | Weblog
2022年12月3日(土)



#384 THE ROLLIG STONES「STICKY FINGERS」(ROLLIG STONES CK 40488)

ローリング・ストーンズのスタジオ・アルバム、71年リリース。

彼ら自身のレコード会社「ローリング・ストーンズ・レコード」を設立しての、初めてのアルバム。

このアルバム、セールスがとにかくスゴい。全英1位、そして全米1位を獲得している。

前作「レット・イット・ブリード」では全英1位だったが、英米ともにトップというのは、もちろん初めての快挙である。

「ビートルズ解散後の、ナンバーワン・バンドは、オレたちだ!」と言わんばかりの威容を見せつけたのである。

【個人的ベストファイブ・5位】

「ムーンライト・マイル」

ラストの一曲。前作からバンド加入したミック・テイラーが存在感を示したナンバー。

バンドのその後、「イッツ・オンリー・ロックンロール」に至るまでの進化過程を見るに、テイラーの高い音楽性は、ストーンズに少なからずいい刺激を与えたことが分かる。

彼はクレジットこそされないものの、曲作りにも大きく関わったようだ。

本曲では、リチャーズは参加しておらず、その音作りはあくまでもテイラーが主導していたのだ。

重厚で繊細なアコースティック・サウンド。隠れた名演奏と言えるだろう。

テイラーのギター・プレイの才能は「キャン・ユー・ヒア・ミー・ノッキング」でもいかんなく発揮されているので、こちらも傾聴されたし。

【個人的ベストファイブ・4位】

「ワイルド・ホース」

シングル・ヒットもした、アコースティック・ナンバー。

70年代初頭。この時代はフォーク・ロックに、大きく注目が寄せられていた。

たとえば同時期のCSN&Yやレッド・ツェッペリンが、アコギ・サウンドを基調にしたロックに意欲的に取り組んでいたものだが、ストーンズも負けじと、シンプルで力強いこの歌を生み出した。

そこはかとない哀愁味が、ウエットな日本人のセンスにも受けたのか、日本のフォーク・シンガーにも影響を与えたナンバーだ。

【個人的ベストファイブ・3位】

「ユー・ガッタ・ムーブ 」

こちらもアコースティック・ナンバーだが、サウンドはもろに、デルタ・ブルース。ミシシッピ・フレッド・マクダウェルの作品。

前作の「むなしき愛」でロバート・ジョンスンを取り上げたように、今回はミシシッピの老シンガーのシブい世界にスポットを当てている。ディープな南部サウンドへの憧れが、当時のストーンズの指向だった。

いささかマニアックだけど、ブルース命の筆者としては、外すわけにいかないな。

【個人的ベストファイブ・2位】

「アイ・ガット・ザ・ブルース」

他のレビュワーなら多分、この曲が上位に来ることはないだろうが、筆者としてはあえて推したい一曲。

ストーンズの基本はロックンロール、そして何よりもブルース。

このことを再確認させてくれるのが、「アイ・ガット・ザ・ブルース」というシンプル極まりないR&Bナンバーだ。

ギターの響き、オルガンのソロ。新しさは皆無だが、永遠に不滅な世界がそこにある。

本曲のミック・ジャガーの切々とした歌声は、われわれの魂を揺さぶってやむことがない。

【個人的ベストファイブ・1位】

「ブラウン・シュガー」

なんのかんの言っても、ベスト・ワンはこれになるだろうな。

オープニングの一曲にして、中期ストーンズを象徴すると言ってもいい、シングル・ヒット・ナンバー。

イントロ、キース・リチャーズのギター・トーンからして、文句なしにカッコいい。この一撃に、魂を持っていかれたギター・キッズが当時どれだけいたことか。

ボビー・キーズらのホーン・セクションも本作よりレギュラー化し、中期ストーンズのサウンドを強くバック・アップしていくことになる。

聴き手をあおるご機嫌な掛け声、そしてノリノリのビートに、思わず身体が動いてしまう一曲。やはり、ストーンズは踊れてこそ、ストーンズだよな。

<独断評価>★★★★★


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