#241 レオン・ラッセル「Hummingbird」(Leon Russell/Shelter)
シンガー/ソングライターのハシリ的存在である白人シンガー/ピアニスト、レオン・ラッセルのデビュー・アルバムより。ラッセル自身の作品。
レオン・ラッセルは42年オクラホマ州ロートン生まれ。10代の頃からバンドマン、またスタジオ・ミュージシャンとして幅広く活動し、その一方でカーペンターズをはじめとする多くのアーティストに楽曲を提供し、自らもソロ・シンガーとしていくつものヒットを飛ばしている。
ま、そのへんは皆さんご存じだろうから、ここでは詳しく触れるつもりはないが、その音楽の影響力はハンパなく、その交友関係はとてつもなく広かった。
例をあげてみると、デイヴィッド・ゲイツ(ブレッド)、ジェリー・リー・ルイス、ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトン、ジョー・コッカー、フィル・スペクター、べンチャーズ、デラニー&ボニー、ビートルズ、スティービー・ウィンウッド、マーク・ベノ、エトセトラ、エトセトラ。とにかく、英米を股にかけた活躍ぶりだった。
彼の曲をカバーしたアーティストも、スゴい。レイ・チャールズ、B・B・キング、ジョージ・ベンスン、アレサ・フランクリン、フランク・シナトラ、ウィリー・ネルスンといった大どころが勢揃いなのだ。
そんな彼の諸作品の中でも筆者が気に入っているのが、「Hummingbird」である。
この曲は翌年、盟友ジョー・コッカーとのアルバム「Mad Dogs And Englishmen」でも再度録音されたが、なんといってもB・B・キングによるカバーで一躍有名になったといえる。
70年リリースのアルバム「Indianola Mississippi Seeds」に収められているバージョンは、BB本人のほか、ラッセル、ジョー・ウォルシュ、ラス・カンケル、メリー・クレイトンらが参加しており、ブルースと白人のポップス、ロックが融合されたサウンドとなっている。
一方、ラッセル自身のバージョンも、なかなか面白いアレンジだ。イントロはまるでデルタ・ブルースのような、アコギのストロークで始まるが、それに続くメロディ・ラインは必ずしもブルース的とはいえず、転調を繰り返したりして、まことに変幻自在だ。
そして、オルガンや女声コーラスやサックスのソロをたくみに配し、ドラマティックな音作りに成功している。
筆者がこの曲を聴いて、ふと思い出したのは、その後デビューすることになる、ビリー・ジョエルだ。
その声質こそだいぶん違うものの、ピアノをフィーチャーし、R&Bをベースとした粘りのあるサウンドということでは、両者は意外なほど近しい。
ラッセルのクセの強いダミ声に比べると、ジョエルのそれはかなり聴きやすく、よりポピュラリティを得やすかったということだろう。
それはともかく、ラッセルの生み出すメロディ・ライン、その創り出すサウンドは、職人芸とよぶにふさわしい。聴き手の期待をけっして裏切らず、いや、それ以上のものを必ず見せてくれるのだ。
トップ・アーティストたちを魅了したメロディ・メイカー、レオン・ラッセルの才能がまるごとつまった一曲。誰にでも出来るワザではおまへん。まさに神曲(かみきょく)であります。
シンガー/ソングライターのハシリ的存在である白人シンガー/ピアニスト、レオン・ラッセルのデビュー・アルバムより。ラッセル自身の作品。
レオン・ラッセルは42年オクラホマ州ロートン生まれ。10代の頃からバンドマン、またスタジオ・ミュージシャンとして幅広く活動し、その一方でカーペンターズをはじめとする多くのアーティストに楽曲を提供し、自らもソロ・シンガーとしていくつものヒットを飛ばしている。
ま、そのへんは皆さんご存じだろうから、ここでは詳しく触れるつもりはないが、その音楽の影響力はハンパなく、その交友関係はとてつもなく広かった。
例をあげてみると、デイヴィッド・ゲイツ(ブレッド)、ジェリー・リー・ルイス、ローリング・ストーンズ、エリック・クラプトン、ジョー・コッカー、フィル・スペクター、べンチャーズ、デラニー&ボニー、ビートルズ、スティービー・ウィンウッド、マーク・ベノ、エトセトラ、エトセトラ。とにかく、英米を股にかけた活躍ぶりだった。
彼の曲をカバーしたアーティストも、スゴい。レイ・チャールズ、B・B・キング、ジョージ・ベンスン、アレサ・フランクリン、フランク・シナトラ、ウィリー・ネルスンといった大どころが勢揃いなのだ。
そんな彼の諸作品の中でも筆者が気に入っているのが、「Hummingbird」である。
この曲は翌年、盟友ジョー・コッカーとのアルバム「Mad Dogs And Englishmen」でも再度録音されたが、なんといってもB・B・キングによるカバーで一躍有名になったといえる。
70年リリースのアルバム「Indianola Mississippi Seeds」に収められているバージョンは、BB本人のほか、ラッセル、ジョー・ウォルシュ、ラス・カンケル、メリー・クレイトンらが参加しており、ブルースと白人のポップス、ロックが融合されたサウンドとなっている。
一方、ラッセル自身のバージョンも、なかなか面白いアレンジだ。イントロはまるでデルタ・ブルースのような、アコギのストロークで始まるが、それに続くメロディ・ラインは必ずしもブルース的とはいえず、転調を繰り返したりして、まことに変幻自在だ。
そして、オルガンや女声コーラスやサックスのソロをたくみに配し、ドラマティックな音作りに成功している。
筆者がこの曲を聴いて、ふと思い出したのは、その後デビューすることになる、ビリー・ジョエルだ。
その声質こそだいぶん違うものの、ピアノをフィーチャーし、R&Bをベースとした粘りのあるサウンドということでは、両者は意外なほど近しい。
ラッセルのクセの強いダミ声に比べると、ジョエルのそれはかなり聴きやすく、よりポピュラリティを得やすかったということだろう。
それはともかく、ラッセルの生み出すメロディ・ライン、その創り出すサウンドは、職人芸とよぶにふさわしい。聴き手の期待をけっして裏切らず、いや、それ以上のものを必ず見せてくれるのだ。
トップ・アーティストたちを魅了したメロディ・メイカー、レオン・ラッセルの才能がまるごとつまった一曲。誰にでも出来るワザではおまへん。まさに神曲(かみきょく)であります。
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