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音曲日誌「一日一曲」#174 関ジャニ∞「マイホーム」(インペリアルレコード)

2023-09-22 05:44:00 | Weblog
2011年5月28日(土)

#174 関ジャニ∞「マイホーム」(インペリアルレコード)







関ジャニ∞、17枚目のシングル。A.F.R.Oの作品。

現在7人組のアイドル・グループ、関ジャニ∞は2004年、アイドルとしては異色のテイチクレコードから演歌「浪花いろは節」でデビューしている。全員が関西出身だけあって、お笑いもOK。またライブではバンド演奏もこなす。ミュージカルなどのステージ経験も豊富で、従来のアイドル・グループとはひと味ちがった魅力がある。

筆者が彼らに注目するようになったのは、THEイナズマ戦隊・上中丈弥のペンによる「無責任ヒーロー」のヒット(2007年)あたりからだ。PVでの「スチャラカ社員」ばりのお茶目な演技を観て、「こいつらアイドルの枠をふみ外しとるw」と感心したものだ。

東京のアイドルみたいな「ええかっこしぃ」を許されず、常に「ウケをとってナンボ」「前に出て目立ってナンボ」を肝に銘じている姿勢には「さすが関西人、ド根性やなぁ」と拍手を送りたい。

さてさて、そんな彼らも、最近では演歌や色モノソングだけでなく、正統派ポップスにも取り組むようになってきた。デビュー7年、知名度も上がり、そこそこ売れてきたという証拠だな。

きょうの一曲も、ミディアムテンポの、いかにも売れセンなロック・バラード。

PVではタイトルにちなんでか家のリビングルームでバンド演奏を行っている。歌は渋谷、横山、村上、錦戸(アコギも)、ギターは安田、ベースは丸山、ドラムスは大倉という編成だ。

これがなかなかいい感じの歌に仕上がっているのだ。ソロパートでの各人の個性的な歌いぶりもいいし、全員のコーラスも息が合っている。

ほめ過ぎかもしれないが、ビートルズ、あるいはモンキーズのような洋モノコーラス・バンドは長らく日本には根付かなったが、それが彼らにより、ようやく形になってきたのではないかと思う。

彼らの歌はテクニック的に特筆すべきものはないのだが、長い間のステージ経験や、楽器演奏などから体得した「リズム感」そして「チームワーク」、これには手堅いものがある。

そういう「蓄積」のおかげか、デビュー後約7年を経て、他のジャニーズ事務所の先輩・後輩の歌とはかなり趣きが異なってきているようだ。

ちなみに、この曲を書いているのは、A FUNKY RYHTHMIC ORGANIZER、略してA.F.R.Oという名のバンドだ。3人のMC、1人のDJ、ギター、ベース、ドラムスからなる、平均年齢25歳の札幌在住7人組。現在も活動の拠点は北海道だという。つまり、一般的にはほぼ無名のバンドといっていい。

だが、彼らの作り出す楽曲は、メジャーなヒット曲の「ツボ」をしっかりおさえたキャッチーなものである。とりわけ「ありふれた日常に/手のひらかさね」ってとこのクリシェっぽいメロディがグッとくるなぁ、筆者的には。

それがA.F.R.Oとはまったく個性の違う関ジャニ∞にもぴったりとフィットし、見事なスマッシュ・ヒットとなった。

これはもう、曲自体のもつ「力」、そういわざるをえない。

以前、山下智久と乙三.のコラボ曲「はだかんぼー」のときにも書いたことだが、ジャニーズ事務所は、作曲家を選ぶセンスがとてもいい。たとえば、嵐のシングル曲がそうだ。

すでに名のあるコンポーザーだけでなく、無名に近いアーティストであっても、いい曲ならば積極的に使おうという姿勢は素晴らしい。AKB48などについてもいえることだが、出来るだけ多くの作家の曲の中から、一番上質で旬な曲を選ぶことで、連続ヒットを出すという戦略。これは正しい。

関ジャニ∞のコーラス・サウンドは、デビュー以来、いい意味で青くささを保ち続けている。これぞ青春!って感じだ。「聴くとホッとする」、そんなアットホーム・サウンドを聴いてみてくれ。

(オリジナル音源が削除されてしまったので、彼らの後輩たちによるカバーを聴いていただきたい。)

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