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音曲日誌「一日一曲」#183 アイク・アンド・ティナ・ターナー「プラウド・メアリー」(Proud Mary/Point Productions)

2023-10-01 05:20:00 | Weblog
2011年8月14日(日)

#183 アイク・アンド・ティナ・ターナー「プラウド・メアリー」(Proud Mary/Point Productions)





アイク・アンド・ティナ・ターナーによる、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルのカバー。ジョン・フォガティの作品。

「プラウド・メアリー」はアイク・アンド・ティナの71年のアルバム「Workin' Together」やライブ・アルバム「What You Hear Is What You Get」に収められ、日本でもシングル・ヒットしたから覚えている方も多いだろうな。

でも、今日聴いていただく「プラウド・メアリー」はそのどちらのテイクでもない。まったく別録音なのだ。

CCRのオリジナル・ヒットは69年。ゆえにこのバージョンの録音は69年か70年と推定されるが、スローで始まり激しいアップテンポに切り替わる、あの有名なアレンジとは全く違う。

全編カントリー・ロック風のもったりしたサウンドで、テンポはオリジナルより少しスローなミディアム。ギター・イントロに続き、アイクとティナが合唱する構成なのだが‥。

これがちょいと肩すかし。約2分半と短めで、ヤマらしいヤマもなく、あっさりと終わってしまう。なんていうか、盛り上がりに欠いているとしかいいようがない。

このままじゃ、絶対に「Workin' Together」版のようにはヒットしなかったろうなと思う。

CCRをカバーしようというアイデアは悪くなかったのだが、アレンジがあまりに平板なのだ。

たぶんこのレコーディング後、いろいろとアレンジを練り直し、71年初頭には「What You Hear Is What You Get」で聴かれるようなスタイルにまとまっていったのだろう。

いくら名曲だからといって、原曲そのままのスタイルでカバーしたのでは能がない。オリジナルに拮抗する名曲にするには、大いに知恵を絞る必要がある。

そこはさすが、ロックンロールを発明した男のひとり、アイク・ターナー。初回レコーディングの失敗をふまえて、見事なアレンジを完成させている。

ご存知のバージョンと比べて聴くと、実に興味深いファースト・テイク。これを聴くと、才能とはつねにより良きものを生み出そうとする姿勢のこと、そう感じるね。


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