NEST OF BLUESMANIA

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#218 エルヴィス・プレスリー「My Boy」

2012-05-27 07:55:21 | Weblog
#218 エルヴィス・プレスリー「My Boy」(Good Times/RCA)

エルヴィス・プレスリー、1974年のヒット・シングル曲。クロード・フランソワ、ジャン=ピエール・ブーテールの作品。

先週の当コーナーをお読みになったかたなら、すぐお気づきだろう。そう、この曲もフランソワの作品を、プレスリーがカバーしているのである。

歌詞の内容は、妻と離婚のやむなきにいたったひとりの男が、何も知らずにすやすやと眠っている、幼いわが息子への思いを切々と語ったもの。

この曲をリリースした当時、プレスリー自身も妻プリシラとの離婚に直面していたこともあってか、歌詞をプレスリー自身の体験談かと思っていたファンも少なからずいたようだが、もともと原曲自体がそういう内容で、英語詞もそれをほぼ忠実に訳したものなのだ。念のため。

とはいえ、家庭内の問題で悩んでいたプレスリーにとって、大いに共感すべきところがあり、それがこの曲をカバーする動機のひとつになったと十分想像できるね。

プレスリーという人はレコーディング曲数がきわだって多く、オリジナル同様カバー曲も膨大で、それもアメリカ国内に限らず、シャンソン、カンツォーネなどヨーロッパ系のポップスもよく取り上げており、クロード・フランソワもまた、プレスリーのフェイバリット・シンガーのひとりだった。

「マイ・ウェイ」に次ぐフランソワ・カバー第2弾であるこの曲は、プレスリーの朗々たる歌声にいかにもふさわしい、本格派バラード・ナンバー。

原曲のわが息子を気遣う父親の心情は、プレスリー自身の心情(彼の場合は息子でなく娘だったが)とシンクロして、聴く者の心をも強くゆり動かす。まさに一編のドラマだ。

筆者的には、いわゆる「落ち」がなく、エンドレスで続いていく曲構成が、いかにもシャンソン~フレンチ・ポップスっぽいなぁと思う。

フランソワのドラマチックなメロディ・ライン、プレスリーの圧倒的な歌唱力があいまって生み出された至高の名曲。あまり知られてないけど、一度は聴いてみてほしい。

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